KOKIA

KOKIA

KOKIAとは日本の女性シンガーソングライター、ボーカリストである。公式ファンクラブ名は「club ancoro」で、ファンクラブ会員は「ancoro」と呼ばれている。
大学在学中の1998年にシングル『愛しているから』でデビュー。その後もシングル、アルバムのリリースを行う。ジャズ音楽専門誌『ADLIB』では、上妻宏光や小泉二口とともに、ADLIB AWARD2008国内ワールド/ニュー・エイジ賞を受賞した。また、新潟県中越沖地震の復興支援活動にも取り組んでおり、そのことが評価されて、社団法人日本青年会議所主催の青年版国民栄誉賞「第22回 人間力大賞」の福祉・教育のジャンルにノミネートされ、2008年度まちづくり市民財団奨励賞を受賞した。2010年、日本赤十字社大阪府支部で制作した赤十字社の活動映像「私たちの想い」のBGMにKOKIAの「命の光」が採用された。また、内閣府「災害被害を軽減する国民運動」のサポーターを務めている。
海外での人気も高く、アジアやヨーロッパでライブ活動も行っている。

lovecatのレビュー・評価・感想

KOKIA
10

絵画のように歌い上げる歌手

アニメーション作品に親しんでいる層であれば一度は聞いているであろう、そして一度聞いたなら忘れる事は出来ない世界観を歌い上げる歌手・KOKIA。
20周年という時間を掛けて磨き上げられた、祈りを込めて歌い上げるような力強くも繊細で透明感のある歌声は今なお輝きを増している。
ハスキーさを感じる力強さをベーストーンとしながら、伸びやかさしなやかさを感じさせる高音域まで駆け上がる安定した音域の広さがその魅力の根底を強く裏打ちしている。その歌唱表現によって描き出される世界観の広さが彼女の歌声を更に魅力的なものとしている。
あるアニメーション映画のオープニング主題歌となった曲では、まるで異世界の言語を紡ぐかのような不可思議な言葉を巧みに操る事で旋律を奏でる音楽に仕上げているが、それはあたかも荘厳な神話が黙示されている場に居合わせるかのような独特の世界を描き上げている。他方、別の曲では何気ない言葉といって差し支えのないような、とても平易で柔らかな言葉を、軽やかできめ細やかにも関わらず圧倒的な力強さと熱を感じさせる、生命力に溢れた人間の姿を描き上げている。その表現力の多彩さ、而して同時に「KOKIA」という変わらない軸を常に感じさせる歌声と歌に込められた意思が彼女の魅力である。