鳥肌必至
尾田栄一郎の作品で、大人気のジャンプ漫画、ONE PIECE. 主人公のモンキー・D・ルフィという青年が幼少期にあこがれた海賊を目指して、その人との約束を守るべく、世界一の海賊、つまり海賊王になるまでの冒険を描く。
はじめは小さな村から一人で出港し、徐々に島をめぐって仲間を増やしていく。道中には他の海賊や海軍、世界政府などの敵が登場し、戦闘が繰り広げられる。ここでは特に、感動して泣けるシーンと物語の構成の深さを述べたいと思う。
この作品は読者をその世界へといざない、登場人物たちの気持ちに入り込ませてしまう。特に仲間に関するシーンでは号泣が避けられない。自分もいまだに展開が予測できても涙を抑えることができなかったり、人物の行動に圧倒されたりすることがある。
主人公ルフィのまっすぐな気持ちと、それにこたえようとして真剣に気持ちをぶつけ合う仲間たちのやり取りは目を見張るものがある。自分も本音で語り合える仲間がほしいと素直に思わされる。
また、尾田さんの思慮の深さにも脱帽するばかりである。途中から物語がつまらなくなる作品とは異なり、この作品には読者を飽きさせる部分がない。フラグを立てたり、伏線を回収したり、どの巻でも早く続きを知りたくなるのだ。
まだ完結はしていないが、インタビューなどで尾田さんはもうエンディングは頭の中にあると述べている。そこまでの構成力に終始圧倒され、新しく読む方は一気読みコース間違いなしの作品になっている。