透き通る歌声、独特の世界観に浸るならこの人です。
吉澤嘉代子さんという方は、1990年埼玉県川口市生まれのシンガーソングライターです。独特の世界観、と表しましたが、この方の作る曲が、「女の子」をテーマにした曲が多いことがその理由です。
色々な女の子、例えば、気になる人からの電話を待っている女の子の「らりるれりん」、旦那さんの首を抱えて車に乗り込む「地獄タクシー」、ヤンキーな先輩に恋をし、釣り合う女の子になるために駄菓子屋へ行き例の”ブツ”を買う「ブルーベリーシガレット」など、様々な事情の女の子になりきった曲を作っています。
登場人物が独特ではありますが、一人ひとりの主人公の気持ちが丁寧に作られています。吉澤さんの描く人は全然違う人たちなのに、どこか自分と似ている所を持っているような、不思議な共感性があると思います。分かるところとそういう世界もあるのかと感心してしまうような面白さが、この方の魅力のように感じます。聞き入っていると、うっかり心の深いところに刺さる歌詞も、魅力の一つです。透き通る声をしていて、「泣き虫ジュゴン」や「ユキカ」といった、寂しさやもどかしさをまっすぐに歌った曲は、一度聞いて見てほしい曲です。透明感のある歌声とともに語られる心の叫びが、とても美しいのです。