パッセンジャー

パッセンジャー

『パッセンジャー』(原題:Passengers)とは、2016年に製作されたアメリカのSF映画。日本では2017年3月に公開された。監督はモルテン・ティルドゥム、脚本はジョン・スペイツが担当している。
20XX年、乗客5000人を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号は、新たなる居住地を目指して地球を旅立った。乗客たちは、目的の惑星に到着するまでの120年という時間を、冬眠装置で眠って過ごす。ところが、エンジニアのジムと作家のオーロラだけ、予定よりも90年近く早く目覚めてしまった。再び冬眠状態となることは不可能。絶望的な状況の中で、2人は惹かれ合っていく。
オーロラ・レーンをジェニファー・ローレンスが、ジム・プレストンをクリス・プラットが演じた。

yoshidayoshioooのレビュー・評価・感想

パッセンジャー
10

時間を忘れて見入ってしまった傑作SF映画

予告編を観ただけでもワクワクした映画。「120年をかけての人類移住プロジェクト。乗客5000人。ひとりの男が目覚めてしまった。…90年も早く。」…この事実の意味するところは何か。つまり暗黒の宇宙を旅する巨大宇宙船の中で、他の誰(人間)とも話すこともなく、生涯たったひとりで老い、死んでいかなくてはいけないということ。…想像しただけで、計り知れない虚無感が襲う設定だ。…そこで彼はついにそれに耐えられず、ひとりの好みの女性の安眠装置を壊し、彼女を目覚めさせてしまう。自分の孤独を埋めるために。彼女の運命を犠牲にしたのだ。当然彼女はその真実を知らないから、いつしか彼らは恋に落ちる。例え、不幸な運命であっても、愛する人が常に傍にいるのであれば、この環境においても、きっと楽しく人生を終えられるかもしれない。しかし現実はむごい。ふとしたキッカケで彼女は真実を知ってしまう。彼女を目覚めさせたのは彼であることを。もうこうなると最悪だ。自分を弄んだ犯罪者と一緒に生涯を終えなくてはいけないのだ。まさに天国から地獄。…果たしてこれからの彼らに待ち受ける運命は?。

単に映画設定だけでなく、俳優さんがほぼこの二人だけで、これだけ面白い映画が作れることに驚嘆すると共に、モルテン・ティルドゥム監督に心から拍手を贈りたい。SF映画は沢山観てきたが、その中でも5本の指に入る傑作だと思う。