否の打ち所がないThe Beatles
ビートルズは1960年代にポッと出てきたイギリスのバンドですが、とにかくサウンドがかっこいいのです。4人の奏でるアンサンブルは絶妙な形でそれぞれが絡み合います。
ジョン・レノンの歌声は最高で、唯一無二と言えるでしょう。ポール・マッカートニーの弾くベースラインは天才的で、どこかドラマチックです。ジョージ・ハリスンはビートルズの活動の半ば辺りから開花したかなと思いますが、シタールという楽器を使ってみたり、鳴くような素晴らしいギターソロなど才能あふれる方です。そして、ドラムを叩くリンゴ・スターは、パワフルで軽快なビートを叩きますが、実に歌うようなドラムを叩くのです。このようなドラマーはかなり稀な存在であり、もしビートルズのドラマーがリンゴ・スターでなかったとしたら、このバンドはここまで伝説になっていなかったでしょう。
この個々の才能が曲に集結して、バンドサウンドとなったとき、もはや芸術的なのです。コーラスのハーモニーも完成度が高く、聴いていて心地良いのです。
メジャーシーンでは約8年ほどのバンド活動でしたが、1年に1枚以上のペースでアルバムを出していたにも関わらず、それぞれの作品の完成度はかなり高く、20年経っても40年経っても、聴けば素晴らしい曲ばかりです。
活動には初期、中期、後期と大別することができ、初期は当時アイドル扱いされていましたが、ストレートな勢いのあるバンドサウンドかなと思います。中期には、色々と音楽的な実験、試行錯誤をしたようです。当時からすると、前例のない新しい音楽だったことでしょう。後期は、シンプルな楽曲構成に戻り、それでありながら深みのある楽曲が揃っています。
一度聴いてみれば、ご自身でThe Beatlesの良さをきっと感じられることと思います。
全体の印象から細部まで、否の打ち所がないバンドです。