ハード・コア 平成地獄ブラザース

ハード・コア 平成地獄ブラザース

『ハード・コア 平成地獄ブラザース』とは、原作・狩撫麻礼、作画・いましろたかしによる裏社会・アングラ系漫画作品。社会からはみ出したアウトロー達とロボットが出会い、壮絶な物語が展開する。二十世紀最後の大傑作と言われたコミック本で、2017年に復刻された。第21回文化庁メディア芸術祭【審査委員会推薦作品】。2018年に主演・山田孝之、監督・山下敦弘で映画化されている。

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ハード・コア 平成地獄ブラザース
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平成を生きた男たちここにあり

「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」とは株式会社エンターブレインより発行された(作・狩撫麻礼、画・いましろたかし)によるコミック作品です。
2018年に角川の配給で映画化(主演:山田孝之/監督: 山下敦弘)されたので漫画を読んだことがない方も作品名をお目にかけたことがあるかもしれません。
この作品では、権藤右近という主人公を中心に、弟の権藤左近や同僚であり唯一の友人・牛山との友情や理想の生き方とは何かを描いた物語です。
権藤右近という男、酒を飲んでは他人に迷惑をかけ、まともな職にも就かず汚いボロアパートに住み、どうしようもない暮らしをしていますが、心はダイヤモンドのように美しく硬い信念の持ち主なのです。読者としてはこんな奴が身近にいたらやだな、めんどくさいな、関わりたくないなと思いながらも憎み切れず、何とか幸せになってほしいと思ってしまう主人公なのです。頭の片隅ではそんな主人公がうらやましかったり自分と同じような一面があったりするのでつい同情してしまうのでしょう。牛山が見つけてきた新しい仲間がとんでもない高性能のロボットだったり、埋蔵金採掘の仕事をくれている上司の殺人事件にまきこまれたりドラマティックな展開がこれまでのいましろたかし作品とは一線を画してします。