あの日と未来の大切なこと
この漫画は、幼馴染の4人に日本とドイツのハーフな転校生1人が加わった計5人の男子高校生の何気ない日常を、彼らを取り巻く人々と絡めて描いた作品になっています。日常を描いた物語なので、笑いもあれば感動もあり、読んでいてとても楽しい作品です。また、恋や友情、進路、人間関係、アルバイト、その他諸々、人生で誰もが一度は経験したことのある悩みや話題が含まれているため、どの世代の人でも恐らく共感できるはず。登場人物一人ひとりの個性も豊かで、きっと誰か一人には、自分を投影して読み進めるのではないでしょうか。物語自体は、前巻のネタがあったり、人間関係の流れがあったりは勿論するのですが、お話自体は独立したものが多いので、どこから読んでもそこまで置いてけぼりになることなく、楽しむことができると思います。
また、絵柄もふんわりと優しいタッチで、受け入れやすいものとなっています。作者さん独特の柔らかい水彩でのカラー絵は、見ていてとても落ち着くものです。
そして何より、登場人物の台詞がこの作品で一番オススメしたいところです。各キャラクターがとても大切なことを言っている場面も多くあり、ハッと気付かされることや、心打たれることが沢山ありました。この悩みを抱えていたのは自分だけではなかった、こういうふうに考えたら楽になれたんだ、というようなことも多く、きっと誰かの助けになるような言葉がたくさん散りばめられています。
青春時代、そしてこれからの人生にとって、大切なことに気付かせてくれる素晴らしい作品です。