バチカン奇跡調査官

バチカン奇跡調査官

『バチカン奇跡調査官』(バチカンきせきちょうさかん)とは、2007年より角川ホラー文庫より刊行されているミステリーノベルシリーズ。作者は藤木稟、表紙イラストはTHORES柴本が担当している。バチカン市国で奇跡調査官をしている神父の平賀とロベルトが、世界中の「奇跡」を調査し、そこに隠された真相を明らかにしていくコンビものである。2017年にはテレビアニメ化された。平賀とロベルトのやり取り、宗教に関する歴史やオカルト要素が多く盛り込まれている点が高く評価されている。

wed124851のレビュー・評価・感想

バチカン奇跡調査官
10

教会 × ミステリー!二人の神父のキャラも良い

カトリックの本拠地であるバチカンに、世界中から持ち込まれる『奇跡』の報告。ここでいう奇跡とは、キリスト教において神が起こしたとされる不可思議な出来事のことです。聖書なんかには、イエス・キリストは石をパンに変えるといったような奇跡をたびたび起こしていたとされ、クリスチャンにとっては『奇跡』とは神の実存の証明なのです。しかし、報告が本当に奇跡であるのかどうか、実は人間の仕業ではないのかということを調べるのが、主人公たちの仕事。神を信じる神父でありながら、奇跡を根底から疑い調査していくのです。出向くのは世界各地の教会や修道院。奇跡の実態と、関わった人々をつぶさに調べていくうち、謎の殺人事件が起こってしまったり…。毎回オカルトチックな雰囲気が不気味さを盛り立て、ハラハラさせてくれます。事件の裏に隠れていたのは、悲しいすれ違いだったり恐ろしい隠謀だったり…。どんな種明かし、決着になるのかを想像しながら見るとより面白いでしょう。二人の神父それぞれの過去も段々と明かされていき、最終話まで飽きることなく謎と物語にどっぷり浸れます。海外文学の『薔薇の名前』なんかが好きな人には特にオススメしたいです。教会、オカルト、ミステリー、この辺りの要素が気になる人には刺さると思います。