スマッシング・パンプキンズ

スマッシング・パンプキンズ

スマッシング・パンプキンズは1988年にイリノイ州シカゴで結成されたロックバンド。略称は「スマパン」。90年代のオルタナティヴ・ロックを代表するバンドの1つであり、グラミー賞に10度ノミネートされた他、4枚のアルバムがプラチナムに認定されている。
1988年にビリー・コーガンとジェームス・イハがスマッシング・パンプキンズを結成。1993年発売の2作目のアルバム『サイアミーズ・ドリーム』が大ヒットし、知名度を上げた。2枚組の大作アルバム『メロンコリーそして終りのない悲しみ』も成功を収めるものの、1996年7月にサポートメンバーのジョナサン・メルビンがヘロインによる薬物中毒により死亡。同室で薬物を摂取していたドラマーのジミー・チェンバレンが逮捕されてしまう。これを機にスマッシング・パンプキンズは凋落していき、2000年に解散となる。
2006年4月20日にオフィシャルサイトにて、活動再開を発表。ビリーとジミーに新メンバーを加え、2007年7月にアルバム『ツァイトガイスト』を発売した。

shirato0806のレビュー・評価・感想

スマッシング・パンプキンズ
9

90年代オルタナ界の異端的バンド

90年台のオルタナシーンの中心で活動し、全米のみならず日本でも高い人気を誇っていたバンド、スマッシング・パンプキンズはアメリカのシカゴで結成されたバンドだ。
しかし、他の同時期に活動していたバンド、パールジャムやニルヴァーナ、アリスインチェインズ等よりもその世界観は独特だ。
アメリカ的なタフなマッチョイズムは無く、かといってグランジシーンにおけるファッション性やダウナーな雰囲気はあまり感じられない。
どちらかというと、ナイーブで繊細な感情をラウドなギターサウンドで隠しつつも、その優しいメロディが溢れ出している、そんなバンドであった。ボーカルのビリー・コーガンの独特過ぎるヘタウマな歌はあきらかに異質だ。まるでいじめられっ子のような歌声だ。
そのある種の女々しさは同世代、同時代のアメリカのバンドには無いものであり、それがスマッシング・パンプキンズのオリジナリティにつながっているのではないかと思う。
今では決して流行ることのない音楽性だが、彼らのセカンドアルバムにして大ヒットアルバム、『サイアミーズ・ドリーム』で聴けるような優しいメロディは、いつの時代でも繊細で傷つきやすい人たちの心を癒やすのではないかと思う。
決してクラスのヒーローにはなれずに片隅に一人でいるような少年少女達、あるいはかつてそうであった人たちの心をだ。
そんな人達の背中をそっと押すような曲を90年代のシカゴから、いつだって届けてくれている。