男女逆転!?お互いの弱味を握る犬猿の仲から、まさかの濃密なTL!?
今回は嵩崎ナツハ著「オオカミαさんとオオカミΩくん」を紹介したいと思う。
第三の性別「オメガバース」が浸透した世界の高級レストランで働く大神は本能のバースを隠し、αを自称しながら働いていた。しかし職場にヤル気も可愛げも全くない自称Ωの新人・大噛亜子が入社し、大神は彼女の教育係に任命される。
しかし亜子は失敗続きで、大神は連帯責任を取らされる。
叱られてものらりくらりと交わす彼女に、遂に怒りが我慢の限界を超えてしまい、カラダで分からせてやる!と強引に迫るものの、意識が途切れてしまう。
甘い声に意識を浮上させると、なんと大神自身が亜子に組み敷かれているではないか!?なんと亜子はαだったのだ!隠していた自分の第3の性であるΩという弱味を握られた大神は彼女に証拠すら撮られてしまう。
と、冒頭のあらすじを書き記したが、本作は他作品より多いのではないか?と思うほど、ほぼ毎巻濡れ場が複数存在する。
えっちぃのが大好きな方にも大満足な作品だろう。
では、ストーリーの面ではどうだろうか。
通常R18作品は「濡れ場を量産してればええやろ!」と薄ーーーいストーリーと呼べないものがあるのが多種見かけるのだが、本作はしっかりと練られており、大神の過去や亜子の実家に起因する事件、誰が『敵』なのか、それらをひっくり返す展開には舌を巻く。
大神と亜子の距離の詰め方もある意味特殊であり、所謂「両片思い・ケンカップル」と分類されるのだろうか?お互い反発しあいながらも、相手に信用信頼が深まっていき、ストーリー終盤には背中を預けるバディのような関係性になる所も推しポイントだ。
また、脇役のストーリーもしっかり描かれているが、本筋から逸れすぎない塩梅なのも嬉しいポイント。まさにその世界にキャラクターが生きているような満足感を得られる。
これだけのストーリーと豊富な濡れ場、尚且つ絵柄も繊細で大変オススメである。が、どうしても絵柄は少女漫画寄りではあるので、男性向けのモノを求めている諸君には、あまりオススメ出来ないかもしれない。
だが、絵柄にこだわりがあまり無い方、女×男が大好物な方、ストーリー性を重視したい方には特にオススメしたい。
作品自体はすでに完結している。気になった方は試し読みでも良いので、読んでみてほしい。
読み進んでいくにつれこの作品の痛快さは必見なので、是非とも最後まで読んでみてほしい。