新譜『重力と呼吸』について。
Mr.Childrenの通算19枚目のニューアルバム『重力と呼吸』がついに発売された。オープニングを飾る一曲目の『Your Song』は発売前からプロモーションとしてFM等でもよくかかっていた。前作である『REFLECTION』からプロデューサーの小林武史が抜けて純粋にミスチルのメンバーだけでの曲作りを開始していた。約3年4ヶ月振りのアルバムとして発売前からファンの間では騒がれていた。
アルバム全体を聴いてみた感想としては、先行シングルの『himawari』『here comes my love』を中心にまずまずの作品に仕上がっていると思う。ただ過去のミスチル作品と比べるとパンチ力という点においては少し劣るかもしれない。新しい試みとしては、あえて今回はバンドサウンドへの原点回帰を感じる。『海にて、心は裸になりたがる』などはまさにそんな感じで、まるでジュンスカやリンドバーグを彷彿とさせる軽快なベースライン。『SINGLES』や『addiction』の疾走感は期待感にゾクゾクする。『箱庭』や『秋がくれた切符』の優しい安堵感を覚える。桜井和寿の今、やりたいことがつまった一枚だと言えるかもしれない。