ペルソナ3 / Persona 3 / P3 / ペルソナ3 フェス / ペルソナ3 ポータブル / ペルソナ3 リロード

『ペルソナ3』とは、SEGAの子会社である株式会社アトラスが発売しているRPGシリーズ『ペルソナ』のPlayStation 2用ソフト。ファミ通ゲームアワード2006では、優秀賞(RPG部門)を受賞した。
3作目のシリーズと銘打っているが、『ペルソナ2』が「罪」「罰」と分けて発売されているため、3作目とするか4作目とするかはファンによってわかれる。
明確に世界観を共有していた同社の『女神転生』シリーズの派生作品であった『女神異聞録ペルソナ』『ペルソナ2 罪・罰』とは世界観・システムを一新した作品。『女神転生』シリーズから引き継いでオカルト的要素の大きかったシリーズだったペルソナが、ストーリー重視のライトなシリーズに舵を切った作品でもある。
10年前に事故で両親を亡くした少年が、学園都市にある月光館学園の高等部に編入する所からストーリーが始まる。以降はもう一人の自分が可視化されたものである「ペルソナ」という特殊能力を使う少年少女たちと共に「シャドウ」と呼ばれる謎の怪物たちと戦いながら、友人と交流を深めつつストーリーを進めていく。
後日談として『ペルソナ3 フェス』が、PSP移植版として『ペルソナ3 ポータブル』が発売されている。本編・フェスでは男性主人公のみだったが、ポータブルでは女性主人公でもプレイ可能にやっており、選択肢や友人たちの態度なども主人公の性別によってかなり変更されているので、ペルソナ3の世界を二度楽しむことができる。

ENOLA10のレビュー・評価・感想

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8

命の意味を探す物語『ペルソナ3 リロード』

『ペルソナ3 リロード』は2006年に発売された『ペルソナ3』のリメイク作品です。

ペルソナシリーズについて簡単にご紹介すると、
・アトラス社によるRPG作品
・「ペルソナ」という力を使って戦う
・ペルソナ1、2と3以降ではテイストが異なる
といった感じです。

上にもある通り、『ペルソナ3』はペルソナシリーズの転換点となった作品です。
具体的にはペルソナ1、2の登場人物はどちらも成人が多く、内容もかなりダークなものでした。

一方、最新作の『ペルソナ5』や『ペルソナ4』では学生が主人公で、ポップなストーリーになっています。

そして問題の『ペルソナ3』はというと、ちょうど分岐点にあたる作品と言えます。
作品内にはポップな雰囲気がありつつ、どこかダークで陰鬱とした空気が流れています。
余命いくばくもない青年や息子を亡くした老夫婦など、「命」について考えさせられるようなキャラクターたちが紡ぐ物語は重く陰惨なものです。

しかし、『ペルソナ3』はただ暗いだけではなく、その中に希望があることを教えてくれる作品です。
この作品内に出てくるキャラクターは誰もが「自分の生きる意味」を探しています。
そんな物語だからこそ、終わった後にどこかすがすがしいような感覚を覚えることができる。
非常にすぐれた作品です。

では『ペルソナ3 リロード』はどうなのか。
本作では旧『ペルソナ3』のストーリーがそのまま展開されますが、新規の方にとっては新鮮な体験をもたらすでしょう。
また、戦闘アニメやキャラクターデザインが一新され、今風の見た目になったといえます。

ですが、旧作の問題点であった長すぎて代り映えのしないダンジョンはそのまま残されています。

『ペルソナ5』であれば、各ダンジョンごとに全く違うギミックが配置されているので飽きることはありません。
しかし、『ペルソナ3』にはダンジョンが1つしかなく、進んでも内装が少し変わるだけなので風景に飽きてしまうかもしれません。

このように『ペルソナ3 リロード』は旧作の良い所も悪い所も引き継いでしまっている作品です。
そのため、一度旧作を遊んだことのある方なら少々退屈になってしまうかもしれません。
ですが、はじめて『ペルソナ3』に触れてみようという方にとっては素晴らしいゲーム体験を提供してくれるはずです。
ぜひ一度、試してみてはいかがでしょうか。