帰ってきたドラえもん

帰ってきたドラえもん

『帰ってきたドラえもん』とは、漫画『ドラえもん』シリーズの短編エピソードのひとつで、1974年3月に『小学四年生』4月号にて藤子不二雄名義で発表された。本作を原作としたテレビアニメ、アニメ映画がそれぞれ2つずつ作られている。
ドラえもんが未来へ帰ってしまったため、無気力な日々を過ごしていたのび太。ある日スネ夫とジャイアンから「ドラえもんと会った」と知らされたことから、物語が始まってゆく。

kannyaのレビュー・評価・感想

帰ってきたドラえもん
9

大切な存在を今一度考えて

いつもドラえもんに甘えて過ごすのび太の将来を心配したドラえもんは、未来に帰ることに。
それまで1度も無かった出来事と、喧嘩してしまって素直になれないのび太は「ドラえもんなんて未来に帰れ「と言ってしまう。
のび太はおばあちゃんっ子で、甘えん坊。いざ1人になって、普段の生活がどれだけ恵まれていてドラえもんがどれだけ大切な存在かわかる。わかっているけど、ドラえもんに心配かけたくないし、素直になれないし、変えられない現実にのび太は成長する。
いつも泣かされていたジャイアンには立ち向かい、誰も見ていないけど1人で生きていけるところを行動に移して自分に平気だと言いきかせる。それはドラえもんの為でもあった。
だけどのび太はまだドラえもんが必要だったし、本当は誰よりもそばにいてほしい。そんな想いをグッと胸にしまい、日々がんばる。ママ達は「かわいそうだけど諦めるのよ」と言うしかできなかった。
このわがままだけは誰も変えられない現実だから。だけどドラえもんは1つだけ救いの道具を置いていってくれていた。それがUSO800。この道具は言った言葉と逆の事が起きる魔法の道具。のび太はこれを飲んで生活を送る。「ドラえもんに会いたい」だなんて言ったらもう2度と会えなくなるが、のび太は「会いたく無いよ」と言う。すると、そこには誰よりも会いたかったドラえもんの姿が。
作品は道具のおかげでのび太はなんとかなったものの、本来失ってから気づいても遅い出来事を表している。身近な存在を大切にすることへの大切さを学んだ。