岡山が生んだ現代の天才
2020年にメジャーデビューした藤井風は「岡山が生んだ現代の天才」の1人。
端正なルックスや高い音楽性、素朴な人柄も大きな魅力ですが、特に独自性を持っていると感じるのはその「歌詞」の世界観。デビュー曲から一貫して「死生観」を歌っていて「死ぬことも生きることの延長線上、特別なことはない。ただ元いた場所に帰るだけ」というメッセージが込められています。
特に「帰ろう」という曲は藤井風が持つ死生観が色濃く出ていて、その達観したメッセージが込められたこの曲は、若者だけでなく老若男女問わずに支持されています。
アジアを中心に世界中で大ヒットした「死ぬのがいいわ」をきっかけに藤井風を知った海外のファンは、歌詞に込められたメッセージに対して「自分の信じている宗教にも通じる考え方」だとも。
人間の根源的なあり方を、難しい言葉を使わずに国境も越えた幅広い層に届けることは、藤井風にしかできない芸当だなと感じます。
若くしてその境地に達した理由は、父親の存在が大きかったようです。元々ミュージシャンを目指していて、信心深い父親のもとで育った藤井風は、幅広いジャンルの音楽と共に「常に助け、決して傷つけない」という精神を教えられていたといいます。
親子2代に渡る音楽と精神の集大成が、唯一無二の藤井風を作り上げていると感じています。