ぼくたちの家族

ぼくたちの家族

『ぼくたちの家族』は著者の早見和真が自らの実体験を元に描いた小説。自らの母親が余命宣告を受けたことをきっかけに、執筆を開始した。過酷な状況下であったが、母親も父親も応援してくれたという。2011年3月に『砂上のファンファーレ』というタイトルで発売されたが、2014年5月24日にこの小説を原作とする映画『ぼくたちの家族』が公開されたのを機に、映画のタイトルと統一された。
映画は石井裕也監督により約3年の歳月をかけて制作された。主人公の若菜浩介役を妻夫木聡が務める。

tyam29のレビュー・評価・感想

ぼくたちの家族
10

泣ける家族の話

「ぼくたちの家族」は非常に泣けて、感動できる映画の一つです。
この物語はお母さんがアルツハイマーになるところから始まります。最初はアルツハイマーだとはわからない物忘れやぼーっとすることがよくあり、病院に行ってみるとアルツハイマーと診断されるのです。
家族構成は父、母、兄、弟で四人家族で、お母さん以外は全員男です。お母さんが入院し始めてから、様々な家族の問題が浮き彫りになります。
お父さんの経営している会社は経営が芳しくなく、そのことを家族に隠しています。兄は引きこもりだった過去を家族に申し訳なく思い、弟は天真爛漫、大学を留年している。お母さんは余命一週間だと医師に告げられ、為す術もないと言われます。しかし、兄弟は諦めずに他の病院にあたります。その間に家族のお金周りを調べていると多額の借金があることが発覚します。普通の家族でもある、隠し事がどんどん明らかになっていく、人間の本性がどんどん明らかになっていく。しかし、この映画を観終わった後は、登場人物たちの人間らしさ、チャーミングなところに惹かれていることでしょう。家族の言葉にはならない絆やめんどくささをこの映画を観て、再確認し、より家族が愛しい存在になるでしょう。