MISIA / ミーシャ

MISIA / ミーシャ

MISIA(ミーシャ)とは、日本の歌手である。長崎県対馬市出身。1978年7月7日生まれ。幼少期から音楽に触れており、高校進学後は黒人のボイストレーナーから指導を受けていた。高校卒業後は上京し、歌手を目指して精力的に活動を行った。
1998年に『つつみ込むように…』でデビューをする。さらに、同年にリリースされたデビューアルバム『Mother Father Brother Sister』は250万枚以上を売り上げる大ヒットとなった。5オクターブの音域を持っており、R&Bのメイン・ストリーム化に大いに貢献した。2000年、ドラマ『やまとなでしこ』の主題歌である7枚目のシングル『Everything』が大ヒット。国民的人気歌手となる。2004年には、女性ソロアーティストとしては初となる5大ドームツアー完全制覇を果たした。2012年には「第63回NHK紅白歌合戦」に特別出演歌手として初出場。2021年の東京五輪では、開会式で「君が代」を独唱した。社会貢献活動にも精力的に取り組んでおり、2013年には、外務省からアフリカ開発会議の⼤使に任命された。平和を願って歌詞を書いた曲、「オルフェンズの涙」「明日へ」「希望のうた」などもある。

sunohara7224p5のレビュー・評価・感想

MISIA / ミーシャ
10

聴衆に対する優しさと力強さ

2018年にデビュー20周年を迎え、そこから6年連続でNHKの紅白歌合戦に出場し、今や日本を代表する歌姫となったMISIA。
5オクターヴの音域を駆使して、圧倒的な声量でロングトーンを多く用いながら抑揚を付ける歌い方が特徴で、伸びやかで透明感のある歌声にいつも魅了されてしまう人も多いのではないだろうか。

MISIAの歌唱力の凄さは端的に表現すると、聴衆に対する優しさと力強さにあるように感じる。

地声、裏声、ウィスパーボイス、ミックスボイス、ホイッスルボイスなど、発声法をひとつの曲の中で変えていくことによって、時に優しく、時に力強く歌詞が伝えられ、聴衆は心を揺さぶられ引きずり込まれる。
ライヴパフォーマンスは愛を手繰り寄せるようにゆっくりとした動きと優しい表情で歌っているかと思えば、急に力強い身振り手振りでまるで魂で音楽を奏でるように全身を使って表情豊かに歌う。
まさに壮大な物語を観ているかのような起承転結があるように感じる。

根底にあるのは、性的マイノリティーへの偏見をなくすための活動、世界中の子どもへの教育支援など、これまで社会貢献、慈善活動に積極的に取り組んできた背景があるのだと思う。
多様性を尊重する社会になって欲しいという彼女の価値観が優しさと力強さとなって音楽に込められ、それが結果的に彼女の歌唱力に表れて聴衆を感動へと導いてくれるのであろう。

是非、そういった耳で彼女の歌を聴き直して、優しさと力強さに圧倒されて欲しい。