不思議惑星キン・ザ・ザ
ソ連が誇る最高のディストピアコメディSF映画です。地球に住む人類とは、文化や言語がまったく違う異星人と出会います。彼らの言語は「クー」と「キュー」のみで彼らの使用する機械や道具は、およそ地球には存在しない特異なものとなっています。ある種ブリコラージュ的な即興性を元に作られていそうな建築物や、機械類にも大変魅力があります。
本作品は公開当時の1986年であり激動の時代でした。そのため様々な社会的批判や暗喩が各所に散りばめられており、ただのB級感溢れるコメディ映画ではなく、見れば見るほど楽しめる作品となっています。ただしかなり曖昧な、ぼやかされての表現ですので作品中の細かい出来事やその当時の世界観を前提として鑑賞するのをおすすめします。ぺぺラッツ、チャトル、エツィロップなどまったく日本では出てこないであろうデザインや世界観となっております。合わせてアニメ版もありますが、まずはこの1986年の原作を見ていただいてからの方が良いかもしれません。個人的にはカツェが地球とはずいぶん価値の違う部分に見入ってしまいました!気の抜けたキン・ザ・ザでしか聞かない音楽も最高です。ぜひご鑑賞ください。クー!