虚構推理

虚構推理

『虚構推理』とは、作家・城平京による怪奇系ミステリー小説、およびそれを原作とした漫画・アニメ作品である。漫画家の片瀬茶柴による同作品のコミカライズが、『少年マガジンR』にて2015年4月から連載。怪異たちの知恵を司る神となった少女・岩永 琴子が恋人である不死身の男性・桜川 九郎と共に、怪異から寄せられる助けに応えて事件を解決していく。作品のテーマは「虚構」であり、真実を解き明かしていくことではなく、「いかに人々を納得させる虚構を作り出し、事をうまく収めるか」を目的としている。

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虚構推理
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一風変わったミステリー漫画

怪異たちに知恵の神と崇められる少女「岩永琴子」と、不死身の身体と未来を決定できる能力を持つ青年「桜川九郎」を中心として展開されるミステリー漫画。
本作の特徴は、事件の真実よりも「大多数の人が納得のいく答え」を重視している点にあります。事件の真実を追求するのではなく、事件が丸く収まるよう架空の物語や詭弁を使って人々を納得させていくお話です。そのため、一般的なミステリー作品を想定して読むと「思っていたものと違う」と感じるかもしれません。
本作の特徴を最も感じとれるのが、第2話「鋼人の噂」から第13話「秩序を守る者」で展開される「鋼人七瀬」の物語です。
事件は、事故死したアイドルを元に作られた噂がインターネット上のまとめサイトで広まったことから始まります。閲覧者の「鋼人七瀬は実在するかもしれない」という想像によって実体化した怪異「鋼人七瀬」。噂は広まり続け、力をつけて凶暴化した怪異「鋼人七瀬」は殺人事件を起こしてしまいます。
事件の解決を依頼された岩永琴子は「鋼人七瀬を否定する4つの推理」をまとめサイトで披露し、閲覧者に「鋼人七瀬は実在しない」と思わせることで「鋼人七瀬」を消滅させようと試みます。事件の結末と、その裏にある思惑とは…?
本作は数話にわたって展開される長編だけでなく、1話完結の短編も多数収録されています。気になった話から読んでも楽しめるので、ぜひ1度読んでみてください。