重厚かつ独特な世界観とシビアかつスリリングなゲーム性で数多のユーザーを狂わせたゲーム
「ダークソウルシリーズ」で有名なフロムソフトウェアが手掛けた、ヤーナムという狂気で侵された街の中で、理性を失った住人や奇怪な化け物たちと戦っていくダークファンタジーアクションゲーム。
このゲームを語るとすればまずその異様な世界観だろう。主人公は突然ヤーナムの街という診療所で目覚め、ただただ街の中を突き進んでいき敵と戦っていく。この主人公はなぜこの街へ来たのか。襲い掛かってくる敵は一体何なのか。このヤーナムは何故このような恐ろしい姿へと変貌したのか。それらはほとんど明らかにされていない。断片的な情報は多々あるが、明確な結論はほとんど見えてこない。そんな謎が謎を呼ぶ異様な世界観こそ『Bloodbornen』の最大の特徴と言える。プレイした多くのユーザーが様々な推測を重ねて議論をし、それでも明確な答えは見い出せず、開発陣も決して明らかにしない。その謎めいたストーリー性に多くの人が惹きつけられた。
ゲーム性に関して特徴的なのが、道中の雑魚敵にすら油断するとあっさりやられてしまう難易度だろう。このゲームのアクションにおいて防御というものは存在せず、敵の攻撃は回避するという選択肢しかない。このように語ると一見ありきたりにも思えるが、ほとんどの敵の攻撃は非常に強力であり、回避するにしてもタイミングは非常にシビアで、立ち回りを1度ミスをするとあっという間に大ダメージを負い、瞬く間に死んでしまう。その難易度の高さはボスに限らず、道中で何度も出会う敵にすら備わっているので、どれだけこのゲームに慣れてきたとしても油断すれば瞬く間に死んでしまうシビアさがあるのだ。強敵や難所をどう攻略するか頭を悩ませ、必死にキャラクターを操作し、何度も何度も死にながらも苦難の末に乗り越えた時の達成感は格別である。
不気味で謎めいた世界観。途中で挫折したくなるほどの難易度。故に到底万人向けとは言えないゲームではある。だからこそ1度このゲームにのめりこむと、それこそ一心不乱にヤーナムの街を駆けていく主人公のように、プレイヤーもただひたすらにこのゲームに夢中になっていく。そんな闇の中に引き込まれたかのような、一種の中毒性を感じさせてくれるゲームである。