リトル・ロマンス / A Little Romance

リトル・ロマンス / A Little Romance

『リトル・ロマンス』(原題:A Little Romance)とは、1979年のアメリカ映画。『明日に向って撃て!』『スティング』を手掛けた名匠、ジョージ・ロイ・ヒル監督によるラブ・ストーリーである。パリ郊外のアパートでタクシー運転手の父と2人暮らしをする大の映画好きの少年ダニエル。ある日ダニエルは同い年の美少女ローレンと知り合い、恋に落ちる。ダイアン・レインのデビュー作。アカデミー賞ではジョルジュ・ドルリューがオリジナル作曲賞を受賞した。

baristenderのレビュー・評価・感想

リトル・ロマンス / A Little Romance
9

小さな恋の大いなる冒険!

監督ジョージ・ロイ・ヒルが手掛けた1979年の映画。
パリ郊外に父と2人で暮らす少年ダニエル(デロニアス・ベロナール)は、計算式で競馬の予想をことごとく当てる天才少年。そして大の映画好き。
ある日、課外授業でルーブル美術館を訪れた際、アメリカ人の富豪の娘・ローレン(ダイアン・レイン)と出会い、意気投合する。ローレンもIQ167の才女だった。
交際を始めた2人は、ひょんなことからジュリアス(ローレンス・オリビエ)という紳士風の老人と知り合い、「ベニスにある“ため息橋”の下で日没の瞬間にキスをしたカップルは永遠に結ばれる」という伝説を聞かされる。
父親の仕事の都合でアメリカに帰国することを知ったローレンは、その伝説を実現するため、ダニエルとジュリアスとともにベニスに行くことを決意する。かくして、2人の少年少女と老人の冒険が始まった。

いささか現実味には欠けますが、それがどうでもよくなるぐらい居心地の良い現代版ファンタジーに昇華されている不思議な映画です。
全体的にテンポよく進み、描写に過不足がないので中だるみなく最後まで観られます。旅の途中、伝説の真相を知り諦めかけるダニエルとローレンにジュリアスが「伝説とは、何でもない者が途轍もないことをした話だ!」と言い放ち2人が旅を再開する場面はちょっと強引ですが、ジョージ・ロイ・ヒル監督がこの映画で伝えたかったテーマがここに集約されていると言えるでしょう。
余談ですが、作風をダニエルにこき下ろされる自堕落な若手映画監督の名前がジョージなのには笑いました。自虐ネタかな。