ダークマイトが面白い
面白かったが、良くも悪くもジャンプ映画らしい王道ストーリーで想像通りという印象。作画や演出のかっこよさは抜群だったが、驚きや意外性、サプライズ的な要素はなく、すごくまとまったものになっていた。しかし、ダークマイトのキャラクター性は突出して面白く、オールマイトの「次は君だ」という台詞で次は俺が象徴になると考える単純さや、オールマイトがとにかく強かったから象徴だったと考える歪んだ考え方にはついクスッと笑ってしまった。最初から最後までダークマイトがやってることは余りにも極悪で、見事に同情の余地もないようなヴィランなのに、オールマイトの顔と声で自分は正義で自分は象徴だと信じて疑わない様でノリノリで楽しんでるのを見ると、なんだか憎めないキャラになっていた。強さに関しては、最初こそ強すぎると思ったし、個性の規模も流石劇場版ボスと思えるものだったが、いざデク、爆豪、轟とのバトルが始まってみると、意外と簡単に追い詰められ、これまでの劇場版ボスと比べるとあっけないもので、正直がっかりした。しかしオールマイトに似せた顔が剥がれた時に一番苦しそうにしてたところは笑えた。
今回の映画は、ダークマイトが面白かったに尽きるのだが、しかし個性的という意味での面白さであって、魅力と言う点では微妙であったし、もっとかっこよくて絶望感を与える王道のラスボスと戦うものを次の映画には期待したいと思う。