よふかしのうた / Call of the Night

よふかしのうた / Call of the Night

『よふかしのうた』とは、不登校の少年と吸血鬼の少女の交流を描いた、コトヤマによる日本の漫画作品。ヒップホップ・ユニット「Creepy Nuts」の楽曲『よふかしのうた』に影響を受けており、アニメ化の際にはこの曲がEDに採用された。
中学生の夜守コウは、ある日密かに夜の街へ繰り出し、そこで吸血鬼の七草ナズナと出会う。彼女の自由な生き方に憧れたコウは、ナズナに「自分を吸血鬼にしてほしい」と願う。吸血鬼が同族を作るには「相手が自分に恋をしている」必要があるらしく、2人は不器用に仲を深めていく。

sakaki7のレビュー・評価・感想

よふかしのうた / Call of the Night
8

夜と恋の物語

深い夜、親に悟られず家を出る。そんな体験を、誰しもした事が、あるいはしたいと望んだことはないだろうか。夜は別世界だ。静まり返った道を街灯がポツポツと照らす。真面目が顔に張り付いた大人たちも、ネクタイをおでこに巻きつけ、赤ら顔で肩を組みあい、笑い声を響かせる。夜は自由だ。この物語はそんな夜に憧れた少年と、夜に住まう少女の出会いから始まる。
アニメ化もしているこの作品は、漫画とアニメ、両方を楽しめる。例えば漫画では、アニメで感じられない書き込みによって、アニメ以上に生々しく表現されるヒロインの表情や、アニメで描きれないシーンがある。またアニメでは、漫画で感じられない戦闘シーンの躍動感や新解釈がある。そして、なんといってもアニメで描かれる夜空は、本物よりも魅惑的だ。本作は、『だがしかし』の著者であるコトヤマ先生が、Creepy Nutsの「よふかしのうた」からインスピレーションを受けて作り、アニメではOP、ED、挿入歌をCreepy Nutsが手掛けるというエモい仕様となっている。
少年と少女は夜の世界を堪能しながら、夜に住まう少女の正体に迫る。危険で魅力的な夜は恋に似ていて、2人は夜の中で変わっていく。