猫の恩返し / The Cat Returns

猫の恩返し / The Cat Returns

『猫の恩返し』とは、2002年に上映されたスタジオジブリのアニメーション映画作品。監督は森田宏幸。本作は、同じくジブリ作品である「耳をすませば」の主人公「月島雫」が書いた物語という、ジブリでは珍しいスピンオフ作品。主人公「住吉ハル」は車に轢かれそうになった猫を助けた事が原因で、猫の国へ連れて行かれる事になってしまう。ハルが助けを求めたのは猫の事務所の主「バロン」であった。

go-1057691399687735358225のレビュー・評価・感想

猫の恩返し / The Cat Returns
8

前向きになれる異世界ファンタジー

ジブリファンならご存じの方もいるかもしれませんが、映画「猫の恩返し」は「耳をすませば」のスピンオフ作品です。
主人公ハルは、明るく少し抜けたところのある女子高生。ある日、車にひかれそうになっていた猫を助けたことから、恩返しとは名ばかりに猫の国に連れていかれます。そこで謎の声が警告するのにも関わらず、「猫王様に挨拶をしてから帰ってもいいよね」と招待に応じてしまいます。
前向きでのんびりとした性格からか危機感ゼロのハル。一緒に行動する猫の探偵のバロンが、ハルとは対照的に頼りになるかっこいい役どころとなっています。果たして猫の国でハルは猫になってしまうのでしょうか?猫王の目的は?謎の声の持ち主とハルの関係とは?

テンポよくストーリーが進み、謎が解けていきます。バロンがハルに言う「自分の時間を生きるんだ」というセリフがこの映画のテーマであり、最後のシーンのハルの成長につながるのではないでしょうか。「自分の時間を生きる」ということは今を大切に生きるということ。今を大切に生きるというメッセージがこの映画には込められており、見終わった後に爽やかで心が温かく、前向きになれます。幅広い年齢の方にお勧めしたい映画です。
また、ラストに流れる、つじあやのの「風になる」も、作品の良さを引き立てていて前向きで明るい気持ちになれます。