無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 / Mushoku Tensei

無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 / Mushoku Tensei

『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』とは、理不尽な孫の手によるライトノベル。「小説家になろう」で2012年9月に連載を開始し、2015年4月で完結した。2020年にはアニメ化を果たしている。
現代日本に住む34歳のニート主人公。彼はある日、家族から家を追い出されてしまう。人生を後悔しながら路頭に迷うなか、トラックに轢かれそうになっていた高校生3人を助けようとして死亡するが、その後ルーデウス・グレイラットとして異世界に転生。今度こそ真面目に生きようと第二の人生に取り組んでいく。

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無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 / Mushoku Tensei
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王道ファンタジーで人生の追体験ができるアニメ

このアニメは、無職でクズニートな主人公が異世界に転生し、人生をやりなおす物語です。
原作はなろう系小説の金字塔と言われている作品。
本作品のアニメ版は、“中世ヨーロッパ風の剣と魔法の世界”という原作で作りこまれた世界観を、忠実に再現しています。1期はとくにキャラクターの作画や風景、演出が秀逸で、アニメ映画と見まがうクオリティ。これだけでも一見の価値ありとおすすめできます。

アニメ作画のクオリティだけでなく、世界観やストーリーの作りこみも秀逸。主人公たちは旅の途中、さまざまな大陸や町に立ち寄り、多くの人や種族と出会います。
「ラプラスに呪いを押し付けられたスペルド族」など、それぞれの背景が1話だけの設定に留まらず、異世界の歴史やその後のストーリーにも関係しているため、展開に飽きることなく見続けることができます。

そして、この作品の一番の見どころは、主人公ルーデウスの成長といえます。他の異世界転生ものにありがちなご都合展開やチート能力はなく、ルーデウスは前世の記憶があり、少し魔法が得意なだけです。
そんなルーデウスが様々なアクシデントや人生の岐路に立たされたとき、前世のトラウマや経験値の無さも相まって、苦悩し迷い、逃げ出しそうになります。大切なものを守るため、それでも逃げずに考え行動するルーデウス。ルーデウスの頑張りと成長を見守るうちに、読者も元気をもらえているはずです。

ここからはこの作品の残念な点を書きます。
34歳無職童貞ニートの主人公の性癖から、この作品の性描写は全般的にキモイです。また、中世ヨーロッパ風の世界観のため、グロ描写も多くあります。この作品が万人におすすめできないといわれる所以です。

とはいえ、本作品ほど完成された異世界転生ものはないでしょう。異世界転生アニメやファンタジーが好きな方はぜひ見てみてください。