フォレスト・ガンプ
フォレスト・ガンプという青年の愛と成長の半生を綴った回想録。
主人公はトム・ハンクス演じる、知能指数が人より少し劣っているらしい、実直で素直な性格の青年。その人物像は、さわやかで清潔感がありとても好青年だ。フォレストの友人が社会の欲望の中に落ちていく(影)代わりに、フォレストだけは運命に翻弄されながらも、正しい道(光)を歩み続ける。その対比が見事。見ている人はおそらくフォレストを好きになるだろう。
フォレストの人物像が、障害があるのかわからないくらい普通の人と変わりなく、おおげさでもなく、コミカルでどことなく味がある。その難しい役どころを、トム・ハンクスがどのような役作りをしたのかぜひ見て頂きたい。
そんなフォレストを創った、トム・ハンクスの名演と登場人物たちの奇異な運命の行方が、この映画の見どころおススメポイント。最後までどうなるか予想がつかない。なぜなら、人の運命は人知を超えたところにあるから。フォレストの名セリフも哲学的で人の心に刺さる。
物語はハラハラする場面あり、友情あり、笑えるところあり、とハートフルヒューマンドラマ。ひとつひとつのエピソードにオチがついており、『サザエさん』的な物語構成になっている。リアリティを出すためか、激動のアメリカの時代背景とうまく重ね合わせている。
実在する超有名人とフォレストとの共演も随所に挟んでいて、違った意味でも楽しめる一作。自分の人生について迷っている、あるいは人生の意味を探している、そんな人にぜひおススメしたい。