SEKAI NO OWARI / セカオワ / End of the World

SEKAI NO OWARI / セカオワ / End of the World

SEKAI NO OWARIは日本の4人組バンド。略称はセカオワ。
メッセージ性のある歌詞にファンタジー感のある音を合わせる音楽性で、独特の世界観を築き上げている。
他に類を見ないバンドスタイルで、音に対するこだわりと共にファッション性に対する評価も高い。
4人で共同生活を行うなど、その生活スタイルも注目されており、音楽のみならず多角的な影響力を持っている。

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SEKAI NO OWARI / セカオワ / End of the World
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SEKAI NO OWARIのおすすめ曲5つ

デビュー10周年を経過し、幾度も全国ツアーを行う人気バンドSEKAI NO OWARI。
メンバーはNakajinさん、Fukaseさん、Saoriさん、DJ LOVEさんの4人。メンバー全員が幼稚園〜高校の間に出会った幼馴染で、かつてはライブハウスを自作してルームシェアしていたのは有名な話です。
そんなSEKAI NO OWARIのおすすめの曲を5つをまとめてみました。

1.「RPG」
こちらは映画クレヨンしんちゃん『バカうまっ!B級グルメサバイバル!!』の主題歌として2013年にリリースしています。当時のSEKAI NO OWARIはメジャーデビューはしているものの今ほどメジャーではありませんでした。
奇抜な曲調もあれば、社会情勢を独自の視点で歌った曲もある。そんなバンドが、子供向け映画の主題歌?と筆者は最初この事実を知った時、嬉しいと同時に困惑しました。「大丈夫?」というのが、正直な気持ちです。
ではなぜ起用されたのか。それは、監督の娘さんがSEKAI NO OWARIの曲を自宅にて歌っていたからとのこと。それを聞いた監督が存在を知り、オファーに至ったとのことです。
そんなRPG、実はメンバーのFukaseさんとSaoriさんの喧嘩から生まれたというのも有名です。
バンド存続の危機ほどの喧嘩をした2人。幼稚園からの知り合いで、小さな喧嘩から大きな喧嘩までよくしていたそうです。今はかなり落ち着いたそうですが。
そんな2人が、喧嘩をして、Saoriさんが東京から1人で京都へ行ってしまいます。実はSaoriさんの実家は大阪とのこと。ひょっとしたら関西方面へ行って、ご家族に会いに行くのも1つだったのかもしれません。
そんなSaoriさんを喧嘩相手のFukaseさんが1人でSaoriさんを迎えに来ます。そして仲直りをして東京に帰り、SaoriさんがRPGのサビの部分を書きます。

「空は青く澄み渡り 海を目指して歩く 怖いものなんてない 僕らはもう一人じゃない」

これをメンバーにメールで送ったと言います。するとFukaseさんがSaoriさんに言います。
「Saoriちゃん、これすごくいいよ」と。そしてサビに応えるかのように、Fukaseさんも歌詞を書きました。

「煌めきのような人生の中で 君に出会えて 僕は本当によかった」

こんなことを思える人と中々出会えませんよね。RPGの歌詞には色々な思いが詰まっているそうですが、元は喧嘩から生まれた曲。最近では本人たちの口から「これは歌詞でお互いを罵倒している」とまで言っていただけあり、色々な隠しワードも込められていることでしょう。

2.「MAGIC」
こちらはHawaiian6というバンドの曲が元になっています。Hawaiian6の「MAGIC」が大好きというFukaseさん。そして昔から、元ある曲を全く違うアレンジにして歌うことが好きだったという背景から、2014年にリリースしています。もちろんきちんと事情を話し、リリースの許可をHawaiian6に頂いているそうです。
元のHawaiian6のMAGICは全編英語ですが、SEKAI NO OWARIのMAGICは全編日本語です。Hawaiian6のMAGIC英語を翻訳しても、SEKAI NO OWARIのMAGICとは一緒の意味にはなりません。
なので、前述した「アレンジが好きだった」というFukaseさんの経験や思いを元に、SEKAI NO OWARIバージョンとして作ったものという感覚です。
こちらはメンバーもすごくお気に入りという雰囲気がよく伝わってくる曲で、ライブの「顔」とも言える一曲になる時もある程です。
個人的には、過去いろいろなことがあったFukaseさんが

「でも僕らは知ってるよ それでも人生は素晴らしいと」

という歌詞を書いたのが本当に響きます。
是非、原曲と聴き比べてみるのも面白いかと思います。

3.「幻の命」
こちらは記念すべきSEKAI NO OWARIの初シングル曲です。インディーズ時代の曲で、2010年にリリースしています。
MVは全身真っ白のパジャマのような衣装を着たメンバー4人が登場します。メジャーデビュー前でメンバーのあどけなさや幼さ(いい意味でです!)が存分に出ている、とても素敵な一曲です。
美しく優しいピアノの音色から始まるこの曲。実はこの曲のイントロはSaoriさんがバンド結成前から考えていたようです。そんな才能が筆者にも欲しかったです。
話はそれましたが、優しいピアノと、無駄のない楽器隊と、それを引き立てるFukaseさんの歌声。「命」を歌う人にとてもふさわしいと思いますが、歌詞は案外残酷なんです。

「白い病院で死んだ 幻の命に 眠れない夜に夢で逢えたらと 蒼い月に祈るんだ」

ボーカルのFukaseさんが作曲していますが、Fukaseさんは自転車に乗りながら歌詞を考えているとのことです。そして、1つの曲で映画1本作れそうなぐらいストーリーを組み立てるとのこと。それだからか、この幻の命という曲は世界観が凄いのです。
ぜひ、MVも併せて聞いていただきたい一曲です。

4.「Habit」
こちらは2022年にリリースしています。この年のレコード大賞を受賞しているぐらいなので、ご紹介しなくても聞いたことある人は多いのではないでしょうか。
作詞を担当したのはFukaseさん。実は作詞をしていた時、コロナワクチンの副作用で熱があったとのこと。そんな朦朧とした中、納期に追われ、必死で考えた結果、あの韻踏みが生まれたとのことです。
エピソードを聞いた時、「アーティストも納期ってあるんだ、人間なんだなぁ」と筆者はどこか他人事でした。

「例えば持っているのに出せないヤツ やってるのにイケないヤツ
持ってるのに悟ったふりして スカしてるうちに不安になっちゃったりするヤツ」
「所詮アンタはギフテッド アタシは普通の主婦ですと」

などなどが点在しています。これを熱の中作詞するのって、普通に素晴らしいですよね。
当初メンバーは「これだけの歌詞にしたんだから、もう見込みはない!ふざけよう!」という気持ちだったそう。それ故、2億回以上再生されているあのMVが完成しました。
しかしメンバーの気持ちと裏腹にHabitは世代を超え国を超え、世界で大バズりしました。
何があるか、わからないものですね。
ちなみに筆者は、あのダンスは踊れません。

5.「銀河街の悪夢」
こちらはスノーマジックファンタジーという曲のカップリング曲で、2014年にリリースしています。
Fukaseさんの少し暗めの声で「行ってきます」と言って家を出る所から始まるこの曲。歩く足音が聴こえながら、街の声や音が同時に聞こえてきます。
「はやくはやくー!」という子どもの声や、「さあどうぞご覧ください」という恐らくスーパーの店員さんの声。自転車の音も聞こえてきます。
そして歩いていくと踏切に辿り着きます。この踏切を前に、何を考えていたのでしょう。
実はこの曲は、Fukaseさんの実体験というか、人生を表した曲です。
世間に公表していますが、Fukaseさんは元々精神疾患がある方です。
学生時代のFukaseさんは医者になりたくて勉強をし、海外留学をします。ところが精神が壊れてしまい、日本に帰国。その後は精神病院に入ります。
何をやっても、忘れてしまう。何をしても、覚えていられない。
そうした葛藤や不安、挫折から這い上がる為、残されていた「音楽」「仲間」これらでバンドを結成するのです。
こうした背景はメンバーはもちろん知っています。だからこそ、この曲を作ったのです。
完成した曲を聞いたスタッフさんは、1度止めたそうです。この頃のSEKAI NO OWARIは、1でオススメした「RPG」をリリースして数ヶ月しか経っていませんでした。「明るい」「頑張る」そのような曲をリリースした次のシングルのカップリング。これからの活動を案じてのことだったのかもしれません。
ですが、それを後押ししたのはメンバーでした。
「Fukaseくんがこれがいいと思って作ったんでしょう、だったら変える必要はないよ」
こうして生まれたのが、「銀河街の悪夢」。
メンバーに、スタッフさんに、そして(烏滸がましいことに)ファンに支えられているFukaseさん。
たくさんの人に支えられて、曲の最後には「ただいま」と明るい声で帰宅します。
MVはありませんが、ライブ映像が公式YouTubeに載っていますので、気になる人は是非チェックしてみてください。

以上、おすすめの曲5つを紹介させていただきました。
他にもたくさん曲がありますので、ぜひ聞いてみてくださいね!