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低迷期のなか輝く作品
子供からはギャグで大人気、大人からは「実は泣ける」と、新作映画が出るたびにイメージアップされていく『クレヨンしんちゃん』映画。
長く続く映画『クレヨンしんちゃん』シリーズにも実は「低迷期」と呼ばれる時期があり、そう言われている時期で光り輝いた一作だと思っています。
クレヨンしんちゃんあるあるな「アホすぎる思想と超強力な武力をもった悪」との戦いが描かれる本作ですが、「悪とのバトル!」というよりは、作品を通して「恐ろしいくらいに大人に従順なレモンの成長と変化」を描いています。
スパイ一家に生まれ、優秀なスパイとして育てられ、親のいうことには絶対に逆らわない女の子・レモン。きれいなおねいさんが大好きで、お尻を出して常に自由奔放に生き、生意気盛りで親には反抗しまくりのしんのすけ。まさに凸凹コンビがたまらなく愛おしくなります。
国や大人の指示とはいえ当初はレモンがしんのすけを明らかに騙していて、悪事の片棒を担がせているような流れを見て、「なんだか好きになれない子だな」という目で見てしまいがちです。
しかし全てを知って初めて親や国への反抗をし、「おかしい兵器なんてなくなればいい!」と、まさに覚醒状態になったレモン。シリーズでトップを争う人気ヒロインになれるのでは!?と思います。ちなみに私は『夕陽のカスカベボーイズ』のヒロイン・椿ちゃんが好きです。
低迷期の作品だし、面白くないよね~と思われがちな時期の作品ですが、子育て世代にまさに突き刺さるテーマが全て詰まっています。"