不適切にもほどがあるのは現代社会なのかもしれない
阿部サダヲ主演、宮藤官九郎脚本という、大人計画の定番の組み合わせなドラマです。
本作品は、阿部サダヲ演じる「小川市郎」が1986年から2024年にタイムスリップするのですが、1986年の常識は最早2024年では非常識。市郎が普通だと思う行動は、2024年の現代人からしたら「異常」なのです。
このドラマは最初、そんな市郎の異常な行動を面白おかしく観るものだと思ってました。でも、そんなシンプルでユーモアだけに特化したドラマではないんだな、ということは1話で直ぐに分かりました。
1話の中にハラスメントについて市郎と現代のサラリーマンが話すシーンがあるのですが、そのシーンを観ていて「なんか現代の考えの方が異常じゃないか?」と思ってしまう自分がいました。
そもそも普通ってなんだっけ?なんで現代はこんなにルールだらけなんだっけ?
最早疑問を感じなくなりつつあった世界の常識にメスを入れてくれる痛快さもあるドラマです。
そしてなんと言っても3世代に渡る家族愛がとにかく良いのです。タイムスリップすることで自分の未来を知ってしまう市郎が、どうその事実と向き合いながら家族と接するのか、そこが一番の見どころだと思ってます。笑いや痛快さだけでなく、涙ありのドラマ、ぜひ皆さんにも観ていただきたいです。