ちいかわ / なんか小さくてかわいいやつ

『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』とは、イラストレーターのナガノによる漫画。2020年よりTwitterで連載されている。2021年に単行本化され、電子版を含め累計部数が100万部を突破した。公式Twitterアカウントのフォロワー数は145万人以上。
当初はこういう風になってくらしたいというテーマで描かれていた。連載が続くと徐々にキャラクターも増えていき、ちいかわと友達の日常を描いたものへ変化していく。かわいらしいキャラクターのほのぼのとした日常の他、モンスターが出てくる話や、現実世界で共感が得られるような物語もある。主に登場するキャラクターは、ちいかわ、うさぎ、ハチワレ。
2022年に日本キャラクター大賞でTwitter発のコンテンツとしては初めてのグランプリを受賞。
2022年よりフジテレビ系の『めざましテレビ』番組内で放送が開始された。
数々の作品や企業とコラボレーションもしている。2022年8月からCygamesのスマホカードゲーム『Shadowverse』とコラボイベントが開催。2022年9月から明星チャルメラとのコラボCMが放送された。他にも、コンビニエンスストアやGU、サンリオともコラボした。

naoki0910のレビュー・評価・感想

ちいかわ / なんか小さくてかわいいやつ
7

ハチワレの魅力に注目する話(第2話「スフィンクス/ほんものだ」のレビュー)

ハチワレが「スフィンクスは猫の座り方のポーズをとっている」とちいかわに主張したくて、興奮気味な様子からの、舌をペロッと出したリラックススタイルで座ります。その姿に見とれて脳裏に焼き付けたくなる可愛さです。

次の話で、砂漠でも近くにピラミッドがあるわけでもないのに、なぜか草原にスフィンクスがいます。「なんでいるの?」と疑問に思いましたが、ちいかわの世界は「でかつよ」「魔女」「あくむのゾウ」といったモンスターたちがうじゃうじゃいるので、「スフィンクスくらいいてもおかしくないか」とすぐに納得しました。
ハチワレはスフィンクスのそばで大声で呼びかけ、立ち上がったスフィンクスから満面の笑みで逃げて、ちいかわと追いかけられます。
無害か否かもわからない巨大な生物にちょっかいをかけ、笑って逃げる。無邪気で可愛いらしいのですが、「あの弱肉強食な世界で警戒心の薄さは命とりなのでは?」とも思いました。

そんな危なっかしさもありますが、ハチワレは後々になって討伐の仕事の厳しさや生きるうえでぶち当たった困難の苦さを知り、ラッコ先生の弟子になって討伐の成功体験を積み重ねていきます。ハチワレが戦士へと成長してゆく前の、危険を知らない子供だったゆえの危うい無垢さを味わう一作でした。