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召喚に巻き込まれた勇者じゃない主人公
本作品は勇者召喚によって召喚された、現実世界の才色兼備の生徒会会長と副会長の男女のおまけとして召喚されてしまった、主人公兎里 健(ウサト)の物語である。
ウサトは勇者としての特別な力は持たなかったが、希少な回復魔法の素質を持っており、救命団の団長に連れ去られる形で城とは離れた場所で修行を始めていくことになる。
回復魔法といえば一般的には後衛職のイメージが強いが、本作品における救命団の仕事は戦争で負傷した兵を担いで安全地帯まで連れ帰ったり、現地での治療のため前線にでる前衛職になるのだ。
一緒に召喚された勇者は、城で魔法や剣技の訓練を積みながら魔族との戦争に向けて着々と力をつけている中、ウサトは1話からかなりハードな体力訓練尽くしの日々を送ることになる。3話では「サバイバル教育のため」と、魔物の蔓延る森へ単身置き去りにされ、巨大な蛇の魔物と戦闘を行うシーンもあった。
全ては魔族との戦争で最前線で負傷者を助け続けるための体力作りのためだ。
ウサト自身は、チートでもなく努力によって身につけた身体能力や回復魔法の腕で、魔族との戦争でも大活躍することになる。勇者が手も足も出なかった黒騎士は、唯一の弱点である回復魔法を纏った拳で殴り倒してしまった。回復魔法とは一体なんなのだろう…。
召喚時からチートで最強作品は多いが、この作品は召喚されてからの訓練に焦点があっている作品であり、面白い内容だった。