来る

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『来る』とは、2018年12月に公開された日本のホラー映画。監督は中島哲也、主演は岡田准一が務めた。原作は、澤村伊智によるホラー小説『ぼぎわんが、来る』である。
社内では子煩悩で愛妻家といわれている田原秀樹。ある時から、彼の周辺で怪異現象が頻発するようになる。その現象によって被害を受けるのは田原だけではなく、家族や同僚たちも危険が及ぶようになった。田原はカルトライターの野崎和浩に現象の解明と除霊を依頼。野崎は、霊媒師の血を引く比嘉真琴とともに、調査を開始する。
畳み掛けてくる恐ろしい怪奇現象、霊媒師である比嘉真琴・比嘉琴子姉妹の個性、次々と登場する様々な霊能力者たちが注目された。

tomomi0219のレビュー・評価・感想

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8

オカルト好き必見のホラーエンターテイメント映画

開始3分で「ザ・ジャパニーズホラー」といった感じに、得体のしれないモノへの恐怖心を一気に煽られます。しかし見始めると多角的な視点で物語が進み、恐怖や嫌悪感の対象がコロコロと変化していく、不思議な感覚でした。ジャパニーズホラー独特の湿気っぽい恐怖感がありながらも、生きている人間の怖さも存分に味わえます。

ある一家を追い詰める「あれ」と呼ばれるモノの引き起こす怪異との闘いが軸となって物語が進みつつ、その合間に繰り広げられる人間模様が、ジトっとしてリアルで気持ち悪く嫌悪感を強く感じます。

『呪怨』や『リング』などのように恐怖の対象のおどろおどろしさや分かりやすい恐怖演出がメインのホラー映画ではなく、あまりにもサクサクと人が「あれ」に蝕まれていくのと、演出が無駄に引っ張られることもなくサクサクと見進められました。

中でも一番印象に残るのが、中盤からクライマックスにかけての霊媒師vs「あれ」のバトル描写です。イタコやユタなど古来より日本に存在する呪術師や霊媒師が一同に集結する様子や、各々の力を総動員して「あれ」と呼ばれるモノを祓うために行われる大々的な儀式はとても新鮮で、ホラーやオカルト好きにとってはある意味エンターテイメント性の高い映像なので必見です。