「世界一不幸」と言われた「世界一」のバンド
幼馴染だったYOSHIKIとTOSHIによって、1982年に千葉県館山市で結成された、日本が世界に誇るロックバンド。1997年にヴォーカルTOSHIの脱退により解散するも、10年後の2007年には奇跡の再結成を果たします。
何度もメンバーチェンジを繰り返し、40年を超える活動期間の中で2011年には元メンバーだったTAIJI(沢田泰司)、1997年の解散直後にはHIDE(松本秀人)、2023年にはHEATH(森江博)が死去しています。
バンドの音楽性は世界に認められつつも、数々の苦難に見舞われた経緯から、英国『ロンドン・タイムズ(The Times)』では、「The world’s unluckiest band: the bizarre story of X Japan(世界一不幸なバンド・奇妙なX JAPANの物語)」と報じられました。
X JAPANの楽曲には「死」をテーマにしたものが多いですが、これはリーダーYOSHIKIによると「自分の隣には常に死があるから」だと語っており、それは小さい頃に経験した父親の自殺によるものです。
綺麗ごとではない、自らが感じたまま絶望を楽曲に込めることで、同じく自身の人生に絶望している多くの若者の気持ちに楽曲が寄り添うこととなりました。
また小さい頃からクラシックピアノを弾いており、バンドマンとしては珍しくオーケストラ音楽にも精通しています。
過去に類を見ない様々な音楽性を融合させた独自性が高い楽曲は世界的に評価を受けており、かの世界的ロックバンド「KISS」のジーン・シモンズは、「もし、X JAPANが英語圏で生まれていれば、おそらく世界一のバンドになっていただろう」と語っています。