ウィッチ / The Witch / The VVitch: A New-England Folktale

ウィッチ / The Witch / The VVitch: A New-England Folktale

『ウィッチ』(原題:The Witch / The VVitch: A New-England Folktale)とは、2015年に制作されたアメリカ合衆国・カナダ合作のホラー映画である。ロバート・エガースの長編初監督作品であり、アニャ・テイラー=ジョイやラルフ・アイネソンらが出演した。17世紀のニューイングランドを舞台に、魔女への恐怖から疑心暗鬼に陥り、崩壊していく敬虔なキリスト教徒一家の姿を描いている。本作はサンダンス映画祭での監督賞受賞をはじめ、24の映画祭で高く評価されるなど、批評家から絶賛を浴びた。
物語は1630年、宗教的信念に基づいた生活を送るため、村外れの荒地へ移住した一家を中心に展開する。ある日、末っ子の赤ん坊が何者かに連れ去られ行方不明となったことを機に、家族の間で相互不信が広がる。家長のウィリアムは長女のトマシンに魔女の疑いをかけ、一家は極限の不安の中で次第に狂気の淵へと沈んでいく。当時の時代背景や民話を丹念に再現した不穏な空気感と、家族が辿る破滅的な運命を重厚に描いた作品である。

yuriann2のレビュー・評価・感想

ウィッチ / The Witch / The VVitch: A New-England Folktale
9

2010年代スクリーン上で最悪の家族

物語の舞台となるのは17世紀のニューイングランド。
村はずれの寂れた森のそばで暮らす夫婦と5人の子供たちは、敬虔なキリスト教徒だ。
ある日、5人の子供のうちの赤ん坊の1人が行方不明となってしまう。どうやら連れ去られたようだが、獣の仕業か、あるいは魔女の仕業か分からない。
不安な日々を過ごす中で、父は愛娘であるトマシン(アニャ・テイラー=ジョイ)が魔女ではないかと疑い始め、家族は次第に崩壊していく。果たして赤ん坊を連れ去ったのは何者なのか。娘・トマシンは本当に魔女なのか。

本作の魅力は不気味さと美しさが共生する世界観。疑心暗鬼に陥った登場人物たちを通して伝わる恐怖が楽しめる傑作となっている。
所謂洋画でよくあるジャンプスケアものではないので、ジャンプスケアが苦手な人も鑑賞が可能だが、鑑賞後も泥のようにジメジメとした陰鬱で不穏な空気がまとわりつくような作品なのだ。

主人公のトマシンを演じるのは、映画界のみならずファッション界や多方面での躍進が目覚ましいアニャ・テイラー=ジョイだ。
彼女の個性的で妖しくも美しい魅力はまさしく「魔女」のようで、思わず画面に引き込まれてしまう。