涙なしには読めない漫画
最初は弱かったタケミチがタイムリープをして、佐野万次郎と出会い、喧嘩は弱いままだけど心が強くなっていくお話です。
読んでいていちばん辛かったのは、エマちゃんが殺されてしまったところでしょうか。兄も祖父も亡くしている佐野万次郎(以下マイキー)は、妹であり、唯一の家族を失ったのです。兄、妹、親友。様々な人を短期間で失う気持ちは、普通の人間には理解できないと思います。気持ちが完全にわかるとは言えませんが、こんなに残酷な展開はないと思いました。そこで、イザナの登場。妹を殺すようにと仕向けたのはイザナだと知り怒りつつも、こんなところに血のつながった兄弟がいたのです。でも、彼はマイキーが嫌いでした、憧れの真一郎兄ちゃんの元で暮らしていたマイキーが許せない。このあたりの展開はすごく盛り上がっていたと思います。なんといっても、ゲームで言うところのラスボスですからね。
そこからも熱い展開が続いており、そんなマイキーを見てタケミチも成長していくのですが、終盤でガラっと物語の雰囲気が変わってしまいます。はっきり言って打ち切り漫画のような展開でした。これが読者の期待していたものと大きく外れていき、最終的な評価は下がっていました。
私はこの作品が大好きでしたが、描いている和久井先生はもう書きたくなかったのかな、とかいろいろ考えて悲しい気持ちになりました。
漫画は、最終的な目標が果たせれば良い。というわけではないと思うのです。
ただ、本当に途中までの展開は熱くて、キャラクターの魅力にも優れていて、いい漫画だったと思います。