「ONE PIECE」最初の映画!伝説の声優が集う贅沢なアニメ
2000年に公開の「ONE PIECE」は、シリーズ最初の映画である。仲間は10人揃っておらず、ルフィを含めると4人しかいない。ただ作品の贅沢さでいえば、大ヒット作「ONE PIECE FILM RED」といい勝負であろう。
映画を観て感じたのは、声優の豪華さ。物語のキーパーソンとなる岩蔵役を青野武が務めているのだ。青野武が演じた役を挙げればきりがないが、有名なのは「ちびまる子ちゃん」のお爺ちゃん役であろう。大御所中の大御所である。
岩蔵は、海上おでん屋の店主。海賊とは関係なく、チョイ役程度の出演だ。伝説の声優である青野武が務めるのは、本当の意味で「声優の無駄遣い」といえよう。
しかし、物語を進めていくと青野武が配役された理由がハッキリとわかる。
岩蔵の友人は、世界中の黄金を集めた大海賊ウーナンだ。ウーナン役には、野沢那智が務めている。アラン・ドロンやアル・パチーノといった、数多くの名優の吹き替えを担当した伝説の声優である。
野沢那智と対等に渡り合う役柄として青野武が配役されたのは、納得だ。ただ2人が同じ場面での共演シーンはゼロ。
胸が締め付けられるシーンもあったが、本当の宝物は黄金ではなく、冒険であるという後の「ONE PIECE」の展開を思い起こすことも描かれていた。