どんな人にも読んでもらいたい作品
『コウノドリ』は産科の医療現場を取り上げた作品である。
妊娠・出産と聞くと幸せなイメージを連想するが、全てが幸せとは言えないことをこの作品が物語っている。早産の末に赤ちゃんが死亡してしまった、胎内で死亡してしまった等、読むのも辛い悲しい結末を迎える話もある。他にも孤独な育児により産後鬱で子供を殺害、または母親が自殺してしまう等、誰もがニュースで1度は目にしたことがあるであろう話もある。
ただ楽しめるだけではなく、妊娠・出産中に誰もが起こりうる出来事や問題視されていることを作品を通して学ぶことが出来る所が魅力だ。
もちろん暗い話だけではなく、切迫早産や妊娠高血圧症候群等の病気を乗り越えて無事に元気な赤ちゃんが産まれるというハッピーエンドの話もたくさんある。新しい命が無事に誕生することがどれだけ奇跡的なことなのか痛感する場面が盛りだくさんである。
妊娠中の女性やその家族が読むと不安を煽る場面もあるかもしれないが、知っているのと知らないのとでは心構えが変わってくるかもしれない。子供を望んでいる夫婦や現在妊娠中の女性はもちろん、将来子供が欲しいと思っている若者や周囲に妊婦がいる社会人等色々な方に読んでもらいたい。