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高岡早紀の演技に釘付け
今まで見た中でもかなりの猟奇的なストーカーだった。高岡早紀さん演じるストーカー・リカが目的を達成する仕方に寒気がした。現場を見た刑事が発狂して病院送りになったのもうなずける。大体、顔のパーツをくり抜いた状態で生かしておくなんて、いくら看護師でもすごすぎる。そして相手が死んだあとの切り替えも早すぎる。そんな恐怖のストーカーにマッチングアプリで誘い出し逮捕しようとした市原隼人さんは、いかに刑事でも無謀だと思う。結婚間近の恋人がいたら、普通そんなことはしないと思う。
愛に飢えた幼少期のトラウマが響き合ったリカとのキスシーンはちょっと悲しかった。
純愛モンスターとあるとおり、騙されたと知っても裏切られたと知っても揺るがない狂気が、高岡早紀さんのきれいな顔の下に透けて見えるようで恐ろしさが増す。それにリカは時々まともなことを言うからさらに怖い。
ただ1つ違和感を持ったのは、警察に追われたリカが壁をよじ登るシーン。道具を何も使わず昆虫のように壁を這い上がる場面は、スパイダーマンとは程遠い不気味さで、でもあまりに唐突すぎてぽかんとしてしまった。とにかく、相手が誰であれ主人公のリカがどういう行動に出るのか終始ドキドキさせられ、高岡早紀さんの表情の微妙な変化にも釘付けの映画だった。