リメンバー・ミー / Coco

リメンバー・ミー / Coco

『リメンバー・ミー』(原題:Coco)は、ピクサー・アニメーション・スタジオ製作の長編アニメーション映画。日本では2018年に公開されたピクサー19作目の長編作品である。第45回アニー賞11部門受賞。第75回ゴールデングローブ賞アニメ映画賞受賞。第90回アカデミー賞長編アニメ映画賞・主題歌賞受賞。『リメンバー・ミー』という題名は物語の軸となる作中の曲名から名づけられている。
伝説的なミュージシャンであるエルネスト・デラクルスに憧れる音楽好きな12歳の少年ミゲル・リヴェラは、死後の世界から先祖が家族に会いに来ると言われているメキシコの伝統行事「死者の日」に、デラクルスの遺品のギターを盗んだことで死後の世界に迷い込んでしまう。本当の先祖はデラクルスであると信じて疑わないミゲルは、デラクルスから「先祖の許し」を得て元いた世界に戻るため、死後の世界を冒険する。家族の愛を描いた本作は高い評価を得、全世界で7億8069万ドルの興行収入を得ることができた。日本での興行収入は4億8800万円を記録している。

tyam29のレビュー・評価・感想

リメンバー・ミー / Coco
9

家族に会いたい父親の奇跡。

この映画の一番大事な登場人物はヘクターだと思います。歌を作ったのもヘクター、物語の核心もヘクター、ヘクターありきの映画です。そして、そのヘクターの願いというのが映画のテーマですが、それはただただ、家族に愛していると伝えたい。それだけなのです。
こんなにシンプルなメッセージを伝えたいだけなのに、ヘクターはそれが叶えられないまま、家族から忘れられようとしている。いったい何年ヘクターは待ったのでしょうか、一番気持ちを伝えたい娘のココが子供から老婆になるほどの時間、ヘクターは悩み続けているのです。その期間、ヘクターはただ家族を思って手を尽くしています。そして、今にも忘れられそうな夜、ミゲルという少年がやってくる。その少年の騒動によって、自分の死の真実を知り、家族との和解ができ、娘への愛を伝えられる出来事がある。苦悩し続けたおかげで全て報われる瞬間がやってくるのがこの映画です。
このヘクターの人生を思えば、この映画での号泣は自然なものだと思います。自分の人生に何を求めているのか、それがわかってから始まる苦悩、そしてそれを達成するカタルシス。映像の美しさや、音楽の良さもあって、人に進めたくなる映画だと思います。