ドキドキ文芸部!

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ドキドキ文芸部!
8

『ドキドキ文芸部!』はサイコホラーゲームといえるのか?

本日はネットでたちまち話題を呼んだ『ドキドキ文芸部!』をプレイし、レビューをしていこうと思う。
まず、『ドキドキ文芸部!』とは、2017年に発表された海外発のインディーゲームだ。
発表当初は主人公が文芸部に入部して女の子達と仲良くなっていく、所謂「ギャルゲー」として発表されていた。だがプレイした人々が数々のホラー展開やうつ展開に驚き、「ギャルゲーの皮を被った鬱ゲー」としてネット上で評価され、たちまち話題を呼んだ。

登場人物は主人公の幼馴染のサヨリ、文芸部部員のユリとナツキ、そして部長のモニカだ。
今回プレイし思ったことは、タイトルにもある通り、「このゲームを一概にサイコホラーとして評価していいのか」ということだ。
確かにサヨリが自殺したあとから物語の歯車が狂いだし、バグを使った驚かし演出やキャラクターの狂気さが垣間見える。
以前までの日常パートが平和だったために、これらの演出はホラーである。だが、それ以上に深いテーマが終盤のモニカとの会話で見えてくるのだ。

どんどんゲーム内のキャラクターが「いなかったこと」にされ、最後に残ったモニカとの対談パート。そこで彼女はこのゲームをプレイしているプレイヤーに告白をする。自らがゲーム内のキャラクターであることの葛藤、自分は攻略キャラクターでないモブキャラであることについて感情をあらわにする。
この対談のパートに心を動かされたプレイヤーも少なくはないだろう。彼女は他の主人公を好きになるようにプログラムされたキャラクターではなかったものの、「自分自身の心で」プレイヤーを好きになった。ゲームや次元を越えたキャラクターであったのだ。

全体的に見るとホラー要素の目立つゲームではあったが、このゲームを通してキャラクターに対する意識が変わった。なお、このゲームはうつ要素や自殺表現があるので、大衆向けではないことからこの評価をつけた。