心の底から温まるほっこりする作品
イケオジのおじさまと、猫のふくまるが仲良く暮らす日常に癒されます。おじさまのふくまるに対する一途な愛情が純粋でおちゃめで、とにかく微笑ましいです。
そしてそんなふくまるも、パパさんが大好き過ぎてパパさんに褒めてもらいたい気持ちや、パパさんを独占したい気持ち。でも時には「嫌われちゃったらどうしよう」と思い不安になる気持ちなど、ふくまる側からの気持ちも存分に描かれています。猫好きな人はもちろん、あまり猫に興味がない人でも十分楽しめる作品です。
おじさまの親バカっぷりにも思わず笑ってしまいます。犬好きで柴犬を飼っている親友・小林との親バカ対決も面白いし、かつて天才ピアニストだったおじさまに憧れつつも敵視している日比野と、猫を通じて交流していく過程も面白かった。
全体的にほっこりしたお話の中、ふくまるが外へ飛び出して迷子になってしまったエピソードでは、それまでの日々で培った2人の絆を存分に味わうことができます。
そしてそんな2人の絆から、「猫に限らずペットを飼うということは家族が1人増えるのと同じで、ペットを受け入れたからにはその命に責任を持たなければいけない」ということをひしひしと感じました。
おじさまと初めて出会った時のふくまるはペットショップで売れ残り、あわや処分寸前という状態でした。『おじさまと猫』は、多くのペットの幸せを心から願わずにいられない作品です。