心理戦がおもしろいミステリアスな作品
アニメ『ペット』は第1話だけ見たら、「さっきの話とどうつながってるの?」と思うシーンがあり、なにを見せられたか全くわからないと思います。しかし2話、3話と見ていくうちに「ヤマ」や「タニ」、「イメージ」、会社組織のことがだんだんわかってきます。
記憶を操作する「イメージ」という能力はとても興味深く、ヤマ親から受け継ぎ、受け継いだ者は組織の人間からは「ペット」と呼ばれています。
主な舞台は日本ですが、中国のマフィア組織が関わっており、グローバルな世界観も展開されます。主要キャラクターはすべて中国マフィア組織の構成員ですが、「ヒロキは会社を抜け出してヤマ親である司と暮らしたい」「司はヒロキを自分のものと思っている」「悟は林さんに会いたい」など、それぞれの思惑によりやがて分裂していきます。
ヤマ親を絶対的に慕う構造ができているため、それぞれのヤマ親との関わりが複雑で、理解が難しいのも事実です。
しかし、何度も見返すとそれぞれのキャラクターの心情がわかり、さらに楽しめる作品だと思いました。
中国語のセリフも出てくるのですが、声優さんも自然にこなされていて素晴らしいです。舞台版の『pet』でも主演を務めたヒロキ役の植田圭輔さんをはじめ、司役の谷山紀章さん、悟役の小野友樹さんなど、声優陣も豪華でファン必見です。