『僕らが恋をしたのは』のあらすじと感想を紹介
オノ・ナツメによる漫画『僕らが恋をしたのは』のあらすじと感想を紹介していく。
教授、キザ、大将、ドク、とお互いをあだ名で呼び合う平均年齢70才の男性4人が、とある山奥で半自給自足の生活を男の楽園として楽しんでいる。
そこに、賃貸物件のチラシを見たと言って、1人の美しい女性がやってきた。
なにか目的があるようだが、謎めいた美しい女性を「お嬢」とあだ名をつけて、仲間として受け入れる。4人の男たちは、しだいに彼女に惹かれていく。
畑仕事、家具作り、バーベキュー等、山奥の生活を通してそれぞれに距離を縮めていく中で、お嬢の目的が教授に手紙を渡すことが目的だというのが判明する。
そして、役目を終えたお嬢は、山を下りるが季節が巡って、また春がくる頃、4人の男たちがお嬢と再会するシーンで物語は終わる。
簡単に言ってしまうと、人生で誰もが抱える挫折を持って生きている大人の恋と再出発の物語だ。この漫画の魅力はラストシーンに込められていると思う。
山奥の暮らしの中で停電が起きて復旧を待っている間、過去に観た映画の印象的な会話のやり取りを語るシーンがある。
主人公とヒロインが再会するシーンで、ヒロインが「足が震えているのはどうか見過ごして」と言って、主人公が一歩近づく。そして、ヒロインがまたいう。「手を取ったらあなたにも移っちゃう」こんな感じのやり取りだ。
ラストシーンでお嬢が4人の男たちに再会する時、この映画のヒロインのセリフを引用する。その時、一歩踏み出すのが誰なのか。その一歩に過去への決別と再出発への希望を感じられる。
4巻で完結しており、絵柄もシンプルで読みやすいと思うので、派手なアクションに飽きた人にはぜひ、おススメしたい漫画だ。