NARUTO / ナルト

NARUTO / ナルト

『NARUTO』(ナルト)とは、日本の漫画家の岸本斉史による作品。1999年43号から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が開始され、2014年50号で完結した。落ちこぼれの忍者・うずまきナルトが、火の国・木の葉隠れの里の頂点「火影」を目指し奮闘。強敵との戦いの中で成長していく姿や、仲間たちとの友情などが描かれている。日本国内に留まらず世界中の人々から愛されている名作漫画。

humoresque_ioのレビュー・評価・感想

NARUTO / ナルト
10

人情から日本文化まで描かれた教科書的な漫画

『NARUTO』という作品の中で1番際立っているもの、それはやはり「人情」である。
主人公ナルトの親友は里を抜け、忍世界における指名手配犯となってしまう。世界中、ないし母国である里の仲間からもやっかまれる中、ナルトだけが彼を闇から救い出し、また以前のようにみんなで平和に暮らすことを望んでいる。
ナルトの幼少期は凄まじいものだった。ナルトが生まれたその日に、里は化け狐に荒らされ、多くの命が絶たれた。ナルトの両親もまた化け狐によって殺され、あろうことかその化け狐がナルトの腹に封印されてしまった。
里中が恨むその化け狐を封印してしまったナルトは、生まれたときから誹謗中傷に悩み、1人孤独に生きていた。ナルトの夢は里の長である「火影」になることだった。火影は里中のみんなから慕われ、好かれていたため、火影になることで孤独から解放されるのだと思っていた。

火影を目指すナルトはやがて忍者になり、小隊となって数々の任務をこなしていくことになる。その小隊にいたのが、冒頭で述べた「里を抜けた親友」のサスケだった。
サスケはナルトと違い、頭脳明晰で、学校中の女子から憧れられる存在だった。自分とは真反対でありながらどこか自分と同じ孤独感を持つサスケに、ナルトはライバル心と共感を感じていた。
NARUTOという作品は「人情」であると冒頭に述べたが、この所以は上記のようなサスケとのライバル心から表される。
仲間とともに戦い、時には衝突し、殺し合いだけではない魂のぶつかり合いが、『NARUTO』という作品の大きな見どころなのだ。