これで君は悪魔になるんだ
200X年の東京に住む間薙シンは数日前から入院しているクラスの担任教師の高尾祐子のお見舞いに、新宿衛生病院へ向かう事になった。途中、同じクラスメイトの橘千晶と新田勇と合流する。ただ、やって来た病院の中は人っ子1人もいないもぬけの殻と化している奇妙な雰囲気を醸し出していた。不穏な噂話を思い出したシン。実は病院に来る前に最近殺人事件があった公園に立ち寄った際に、1人の新聞記者に出会っていた。その時に貰った雑誌にはこの病院が密かにオカルト的な人体実験や東京に悪魔を呼ぶ儀式をしているのではないのかという話があり、それを2人にも伝えた。
余計に先生を探さなければいけない状況下に陥った中、この病院には地下があることを勇が突き止め、カードキーを発見したのは良いが、小心者の勇はシンに「地下に先生がいるかどうかだけでも良いから」と人任せ。シンは1人で地下へと降りる事に。
地下に到着後、シンの目の間に金髪の少年と喪服姿の老婆が現れる。意味深な言葉を交わす2人は瞬きの一瞬で姿を消してしまった。その光景に呆気にとられていたが、先生を探さなければいけない事を思い出し、地下にある一室の扉を開けると、怪しげなパソコンに繋げられた謎の筒状の機械らしき前に座り込む男性がいた。氷川と名乗るその男性に突然襲われそうになった時に、あれだけ探してもいなかった先生に救われる。シンが上にいる2人にもこの事を伝えなければいけないと思う中、先生に病院の屋上まで連れて来られた。そこでシンは衝撃的な話を耳にした。
今この病院にいない人間は皆、消えてしまう、世界は1度創り直さなければいけないから滅ぶ必要がある、と。すると「東京受胎」と言われる大災厄が起こり、一瞬で世界全てを悪魔が跋扈する魔界へと変貌させていく。突然変異のエネルギーに耐えられなくなったシンは気を失ってしまう…。
無意識の中で金髪の少年と老婆がまたシンの前に現れる。少年の手には悪魔の力を固めた「マガタマ」と呼ばれる代物が握られていた。これから変わり果てた東京で生き残る術としてシンは「マガタマ」によって人の心を持ちながらも肉体は悪魔、半身半魔の存在、「人修羅」と呼ばれる者に変異した。
自分が何故悪魔の肉体を与えられて、生き残る術を身に着けたのか。そしてクラスメイトの行方を探しながらも荒廃したトウキョウを進む。悪魔と交渉し、仲魔として共に彷徨い歩く中で、悪魔達が話していた噂話の中で、新たなる世界を作る、創生を行う人間達がいる事を知る。自分以外の生き延びた人間達に会うことにも、また噂話の信憑性を測る為にも、シンは動き出していく…。