体が闘争を求める人におすすめの31世紀の遠未来で巨大ロボットバトル!
『MechWarrior Online』はPiranha Games社が2013年からWindows向けにサービスを開始している、オンライン型の対戦ロボットシュミレーションゲームだ。2023年にはリニューアルを重ねて『MechWarrior Online LEGEND』となっている。
本作はアメリカで展開している国民的なコンテンツで、日本でも過去に展開していたことがある対戦ロボットボードゲームである『バトルテック』シリーズと同じ世界観を有している。地球を中心とした国家である「中心領域」と、その中心領域から脱出した軍人たちの末裔である「氏族」との大戦が勃発した3050年代の宇宙が舞台だ。
本作の主役でありプレイヤーであるメック戦士たちが乗り込む巨大ロボットが、「バトルメック」だ。バトルメックはプレイヤーが自由にカスタマイズ可能で、その幅は千差万別だ。また本作だと防御力を「装甲の厚み」で表しており、それらを可能な範囲で自由自在に変更できるのは、日本で同じジャンルのゲームだとあまり見ないシステムだ。
バトルメックには大きく分けて4種類あり、小型軽量で火力が貧弱で撃たれ弱いが機動力が高く、偵察や奇襲が得意な「ライトメック」。装甲・機動力・火力がそこそこで扱いやすい「ミドルメック」。十分な装甲と火力で戦場において主力を務める「ヘビーメック」。鈍足で小回りも効かないが圧倒的な火力と装甲を兼ね備える「アサルトメック」の4種類ある。
また、メックにはそれぞれ固有の「くせ」がる。例えば同じ種類のメックでもあるものはビーム兵器が強かったり、またあるものは実弾兵器が強かったりといった具合で、メックの個性をひき立てている。そしてメックには製造元が設定されており、中心領域製と氏族製の2種類がある。当然製造元で性能や特性に変化があり、氏族製メックには独自のメックである「オムニメック」がある。
オムニメックはメックの各部をオムニポッドと呼ばれるパーツで構成されている。これを変更することで本来そのメックには取り付けられない武器の取り付けや、メックのくせを変えることが可能で、通常のメックとは違ったカスタマイズが可能となる。ただし、エンジンなどの一部のパーツの変更ができず、更にはオムニポッドのくせにはマイナスとなるものがあるなどの欠点もある。
バトルテックの基本設定では中心領域よりも氏族のほうが優れた技術力を持っており、ゲーム上でもメックのアップグレードの効果やエンジンの性能、武器の一部のスペック(例:射程距離が長い、重量が軽い)などで表している。そのかわり中心領域のメックは氏族のものと比べて強力なくせがついており、性能に大差が出るわけではないので安心して自分の好きなメックに乗って戦おう。
メックの操作は基本的には1人称視点のマウスとキーボードと、FPSと同じスタイルで操作することになる。重量感のあるメックをコックピット視点で動かすのは没入感満点で、ロボット好きには非常にたまらないだろう。
ただし、メックの操縦には注意が必要だ。メックの武器の使用には熱量が発生し、熱がたまりすぎると安全のために自動的に停止し、無防備になってしまう。この設定は手動による解除が可能だが、今度は熱によるダメージが発生し、そのまま熱がたまり続ければ火薬やエンジンが爆発して自滅することになる。
また、メックの動作は日本ではおなじみのガンダムなどと比べると非常に重い。設定的にもメックは重たく、例として戦場で主力となるヘビーメックとガンダムを比べると、ヘビーメックが全長10メートル前後の重量が60~75トン、初代ガンダムであるRX-78が18メートルの43トンで、メックの方が基本重量はもちろん重量比も重たい事が分かる。
そのため、「当たらなければどうということはない」ことができるのは一番身軽なライトメックぐらいで、一人で突撃した日には袋叩きにされて即座に撃墜されるのがオチだろう。攻撃を上手に受け止め、遮蔽物を利用して敵の攻撃をさえぎり、孤立せずに仲間と連携して戦うのがメック戦士の流儀になる。
他にもロボット好きならたまらない要素はあり、その一つが多種様々なメックが登場することだ。本作は100種類以上と実に多種多様なメックが登場するが、『マクロス』シリーズや『太陽の牙ダグラム』に大きく影響を受けながらも、日本とは異なったデザインラインをしている。
例として『バトルテック』シリーズの顔役でもあるティンバーウルフというメックがある。戦闘機の機種を切り取ったような胴体、武器と一体化した腕、鳥のような逆関節と、人間に近いロボットを見慣れている日本人にとっては非常に異形の体形だ。
他にもこういった完全な人型から外れたメックは多数あり、日本じゃ見かけることが少ないロボットはとても新鮮に見えるだろう。無論、人型に近いロボットもあるので、「ロボットは人型がいい!」という方も安心してほしい。こういったロボットもアメリカナイズドながらもスタイリッシュなデザインで非常に魅力的だ。
本作でようやく日の目を浴びたマイナーなメックが登場することだろう。『バトルテック』シリーズにはそれこそ『ガンダム』シリーズ並に多種多様なメックがあるが、中には一部媒体で紹介されるだけで立体化の機会にも恵まれずに埋もれているメックも多数存在している。そういったメックが最新のスタイリッシュなデザインにアレンジされて、それに乗り込んで戦えるのは感慨深いものがあるだろう。
「巨大ロボットに乗り込んで戦いたい」「変わったデザインのロボットが見てみたい」という方にはぜひオススメの本作だ。基本プレイが無料なので気になった人はぜひプレイしてみてほしい。