こんな青春を送りたかった、漫画『僕の心のヤバイやつ』レビュー
『僕の心のヤバイやつ』とは、桜井のりお氏による少年漫画です。※以下『僕ヤバ』
舞台は中学校で、陰キャ男子の市川京太郎と陽キャ女子の山田杏奈、この2人の恋愛模様を描いています。
全体的に面白い漫画ですが、特に注目しながら読むべき点が2つあります。
1つ目は、陰キャと陽キャ、一見正反対な2人が自然に惹かれ合う点です。
京太郎くんは気づかい上手だけどシャイ、杏奈ちゃんは素直で積極的。性格も考えも行動も真逆なため、学校生活で基本的には関わることのない2人です。だからこそ、互いの長所に気がつき互いを認め合う、そして自然と好きになっていきます。
正反対な2人が両思いに発展していく、京太郎くんと杏奈ちゃんの深まる関係に目が離せません。
2つ目は、嫌なキャラが一切出てこない点です。
2人の恋路に割って入ったり、「釣り合わない」と言ったりするような、恋愛ものにありがちな悪役キャラは『僕ヤバ』には登場しません。いわば、登場人物全員が味方であり邪魔な存在は1人もいないということです。
その分、京太郎くんと杏奈ちゃんの恋を集中して楽しめます。
「陰キャと陽キャが結ばれるなんてありえない」「恋愛漫画は見飽きてる」、そう思う方もいるでしょう。しかし、だまされたと思って『僕ヤバ』を読んでみてください。気づいた時には京太郎くんと杏奈ちゃん、2人の恋模様を応援しているでしょう。
「性格も外見も過去も何もかも、関係ないのが恋」。『僕ヤバ』はこのことを教えてくれる最高の作品です。