カリスマ / CHARISMA

go-1010221967719717709134のレビュー・評価・感想

カリスマ / CHARISMA
8

カリスマたちのめちゃめちゃな仮住まい!

2021年秋、音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』と同レーベルのEVIL LINE RECORDSから新しいコンテンツが始動した。その名も、超人的シェアハウスストーリー『カリスマ』。
ざっくり紹介すると、「カリスマ」と呼ばれる7人の尖った個性を持つキャラクターたちが、ひとつ屋根の下でシェアハウスをする、いわゆる日常モノ。キャラクターには、「性」、「反発」、「服従」、「正邪」、「秩序」、「内罰」、「自愛」と、それぞれが突出した性質(カリスマ)を持っており、カリスマたちの非凡な日常を、私たちはボイスドラマで覗き見る。ストーリーはYouTubeで全話公開されており、長くても10分程度なので、スキマ時間にサクッと観ることができるのだ。
ボケとツッコミの連鎖、メタ的なブラックジョーク、突拍子もないけどギリギリついていける絶妙なテンポ感、どこかで見たことあるような…と感じる人も多いだろう。それもそのはず、アニメ「おそ松さん」を手がけた松原秀が原作に携わっているのだ。
そのカオスさはストーリーに限らず、彼らが歌う楽曲にも行き渡っている。誰しも1度は聞いたことがある有名な曲を、サンプリングしたポップなサウンドに乗せ、歌ったりラップしたり演説したりする。
MVでは、クソコラのような狂気じみた画面や、7人の顔がプリントされたボックスを頭に被った全身タイツのポリゴン数の粗い人型が踊るサビのシーンがある。巷では「高熱の時に見る悪夢」と比喩される独特な世界観が展開されている。この「手の込んだ低予算感」がカリスマの魅力でもある。
また、ストーリーごとに「カリスマチャージ」を貯め、100%になると「カリスマブレイク」し、キャラクターたちは魔法少女さながらの変身を遂げ、ソロ楽曲が公開される。「性」ならアラビアン風、「秩序」なら軍歌風といった、各々のカリスマ性に寄り添った曲調になっている。楽曲は、各サブスクで視聴可能だ。
「シェアハウス」「キャラクターソング」「YouTubeでサクッと履修」「クソコラ」「メタなお笑い」というこれまでの若者の流行りを合体させたような強烈なコンテンツ『カリスマ』。これほど「百聞は一見にしかず」という言葉がぴったりなコンテンツはない。ひとまずYouTubeで「めちゃめちゃカリスマ」で検索してみよう。