人生に希望が持てる作品
一度でも誰かを亡くした経験がある人間は、一度この映画を見るべきだと思う。そうでなくとも、大事な人を生涯で愛し尽くしたい人間は、この映画を見るべきだと思う。
誰かを亡くした時に、人は一度絶望する。この人に会えない人生なんて意味がないだとか、救いがないだとか思ってしまう。リメンバー・ミーは、そんな人を救う燈のような映画だ。
ストーリーは将来の夢を家族に反対され主人公が、それを打破していく情熱と家族愛の物語だ。ここまで書くとよく聞く子供向けのストーリーラインだが、作中ずっと並行して曽祖母と亡くなった父の物語が語られていく。曽祖母と父は今生ではお互いの誤解を解く事が出来なかったが、主人公の手によって互いを想う心が明らかになる。こどもの時分に見れば親にそっと近づきたくなる映画であり、大人になってから見れば親に電話をかけたくなる映画だ。親をもう亡くしている人が見れば、「死後の世界でまた隣で暮らせる。謝りたいことや甘えたい事、全てがもう一度叶う世界がある」と思わせてくれる。曽祖母と父と母がまた身を寄せ合うシーンで自然と涙が出た。いいなぁと心の中で思ったし、映画館で見た際みんなが涙にくれるのをみて、みんな会いたい人がいるんだなとほっとした心持ちがした。少なくともこの映画を見る時、私たちは誰かにまた会えるまで人生を頑張る仲間である。