アニメ『SPY×FAMILY』の主題歌「ミックスナッツ」
アニメ『SPY×FAMILY』の主題歌で有名なOfficial髭男dismの曲「ミックスナッツ」。
曲をかけて、脳内に稲妻が走った。「誰の曲をかけていたっけ?」と、大きな動揺を走らせてしまうことになる。それくらいに、冒頭のイントロがアグレッシブなサウンドだったからだ。
言われてみれば、ヒゲダンサウンド全開ではあるのだ。しかし、ここ最近の表題曲で奏でるサウンドとはテイストが異なっていたため、動揺してしまったのだ。
ぶりぶりのベース音、サイレンのようにけたたましく響くギタープレイ、自由度の高いフレーズを奏でる鍵盤の音色、そのイントロをまとめあげる、アグレッシブかつ軽やかなドラム回し。
冒頭15秒ほどで、それらを盛り込んでいくるのである。
まるで高速スウィングジャズ。「サブスク時代はイントロがない方が良い」に対するアンチテーゼレベルの話じゃない。
Official髭男dism屈指と言ってもいいくらい、イントロで鮮やかなバンドアンサンブルを奏でてくるのだ。
アルバムの一曲とかならわかるよと、思う。
でも、ゴリゴリにアニメタイアップがついた一曲の始まりがこうなるとは、自分的にはまったく想像していなかったのである。
でも、これこそがOfficial髭男dismなのかも、とも感じさせられた。
Official髭男dismは、幾度となく、我々のパブリックなイメージを破壊してきた。
もともとはブルーノ・マーズ的なブラックミュージックを得意とするバンドかと思っていたが、今のOfficial髭男dismの音楽性を指し示すうえでブルーノの名前を出すことは非常にまれである。
もちろん、そういうテイストの歌もあるけれど、「それ」がOfficial髭男dismの音楽の中心だったのはずっと前の話だからだ。それくらいに彼らの音楽は多彩なのだ。
あれだけアウトプットしたのだから、もう「踏んでいない足音を踏むのは無理でしょ?」なんてことを勝手ながらに思うわけだが、そういう予想は鮮やかに切り裂いていくのだ。
前置きが長くなったが、「ミックスナッツ」はOfficial髭男dismの魅力を改めて感じさせられる名曲である。