Official髭男dism / オフィシャルヒゲダンディズム / ヒゲダン

『Official髭男dism』とは、藤原聡(ボーカル)、小笹大輔(ギター)、楢﨑誠(ベース)、松浦匡希(ドラム)の4人で構成される日本のバンドである。愛称は「ヒゲダン」。
バンドは2012年に結成。2018年に1stシングルである「ノーダウト」でメジャーデビューし、以降「Stand By You」や「Pretender」、「イエスタデイ」等ヒット曲を売り出している。2019年には紅白歌合戦に初出場し、「Pretender」を披露した。
ドラマやアニメ、映画の主題歌を担当することが多く、特に10代~20代の若年層から絶大な人気を集めている。親しみやすい楽曲でありながら、個性を前面に出しており、特に言葉や韻を巧みに使った歌詞が特徴的である。また、楽曲のストーリーとしてはラブソングが多く、多くの人が共感しやすい点が人気を集める要因の一つである。

soranohuwari6のレビュー・評価・感想

Official髭男dism / オフィシャルヒゲダンディズム / ヒゲダン
10

アニメ『SPY×FAMILY』の主題歌「ミックスナッツ」

アニメ『SPY×FAMILY』の主題歌で有名なOfficial髭男dismの曲「ミックスナッツ」。
曲をかけて、脳内に稲妻が走った。「誰の曲をかけていたっけ?」と、大きな動揺を走らせてしまうことになる。それくらいに、冒頭のイントロがアグレッシブなサウンドだったからだ。
言われてみれば、ヒゲダンサウンド全開ではあるのだ。しかし、ここ最近の表題曲で奏でるサウンドとはテイストが異なっていたため、動揺してしまったのだ。
ぶりぶりのベース音、サイレンのようにけたたましく響くギタープレイ、自由度の高いフレーズを奏でる鍵盤の音色、そのイントロをまとめあげる、アグレッシブかつ軽やかなドラム回し。
冒頭15秒ほどで、それらを盛り込んでいくるのである。
まるで高速スウィングジャズ。「サブスク時代はイントロがない方が良い」に対するアンチテーゼレベルの話じゃない。
Official髭男dism屈指と言ってもいいくらい、イントロで鮮やかなバンドアンサンブルを奏でてくるのだ。

アルバムの一曲とかならわかるよと、思う。
でも、ゴリゴリにアニメタイアップがついた一曲の始まりがこうなるとは、自分的にはまったく想像していなかったのである。
でも、これこそがOfficial髭男dismなのかも、とも感じさせられた。

Official髭男dismは、幾度となく、我々のパブリックなイメージを破壊してきた。
もともとはブルーノ・マーズ的なブラックミュージックを得意とするバンドかと思っていたが、今のOfficial髭男dismの音楽性を指し示すうえでブルーノの名前を出すことは非常にまれである。
もちろん、そういうテイストの歌もあるけれど、「それ」がOfficial髭男dismの音楽の中心だったのはずっと前の話だからだ。それくらいに彼らの音楽は多彩なのだ。
あれだけアウトプットしたのだから、もう「踏んでいない足音を踏むのは無理でしょ?」なんてことを勝手ながらに思うわけだが、そういう予想は鮮やかに切り裂いていくのだ。
前置きが長くなったが、「ミックスナッツ」はOfficial髭男dismの魅力を改めて感じさせられる名曲である。