歌姫ウタのライブ感満載の映画
ウタの歌声や歌唱シーンはAdoさんが担当しており、麦わらの一味やウタのファンと一緒にライブ会場で楽しんでいるかのような臨場感を体験することができます。Adoさんの圧倒的な歌唱力と表現力には脱帽します。それだけでも映画を観る価値があるのではないでしょうか。
序盤から中盤にかけては、あまり麦わらの一味の活躍が観られないのでファンには物足りなく感じてしまうかもしれません。しかし、後半のエレジアの地下に眠るトットムジカなる魔王をルフィとシャンクスたちが共闘して倒そうとするバトルシーンには胸が熱くなります。あの弱気で臆病だったコビーが成長して全体の指揮をとっている姿や、ウソップとヤソップ親子の息のあった協力プレー、最後にルフィとシャンクスが同時に魔王にトドメを指す場面など、長年のファンには堪らない貴重なシーンが最後にギュッと凝縮されています。とにかく赤髪海賊団の強さが別格すぎて、バトルシーンは疾走感満載で心が震えます。
「歌でみんなを幸せにする」というウタの思いには最初から嘘偽りはなく、最後の力を振り絞りながら命を懸けて歌うウタの姿には、切ないながらも生き様を見せ付けられたかのようでした。ウタを想うシャンクスの親心に家族の絆を感じ、ウタからルフィへ新時代を託すかのように麦わら帽子を返すシーンなど、感動する場面も盛り込まれています。
長年の原作やアニメファンはもちろん、あまりONE PIECEに触れてこなかった人でも楽しむことができる映画になっているのではないでしょうか。